舞台初日、間も無く骨折。失敗学を通したら怪我だって防げるかも!?

松雪泰子が演じる掟破りのキャラクター。「失敗学」って何?_img0
 

真奈子の口癖は、「最近どんな失敗をしました?」。聞かれたほうは、思わず「え?」と動揺してしまう。そうなると気になるのが松雪さんの失敗談です。

 

「若い頃の話ですが、舞台の初日を迎えてすぐ、本番中に足を骨折したことは、今思い出しても大きな失敗だと思っています。各所に迷惑がかかるので、怪我をしたことを周知した上で、最後までやりきりましたが、今から考えてみると、最初から懸念な点はあったんです。本番前に改善しておけば、その事故は起きていなかったかもしれないのにそのまま見切り発車してしまった。それが原因でケガにつながったので後悔しました」
 
しかし舞台には穴を開けず見事やり切ったという松雪さん。プロとしての意識は十分だと思いますが、彼女はこれを「失敗」と言います。
 
「多くの人に心配とご迷惑をかけてしまいましたから。とにかくやるしかないので、気合いと根性のみでやりきりました(笑)。自分の肉体には日々向き合っている方ですが、失敗を機に作品に向かうときは本番までの計画をより入念に立てるようになりました」

理由や原因を分析し、それを取り巻く環境を検証し、改善する。失敗学を通せば、こうした怪我さえも未然に防げるということなのかもしれません。
 

松雪泰子が演じる掟破りのキャラクター。「失敗学」って何?_img1
 

100年先の人類の幸せを考える「失敗学」。松雪さん自身もまた、俳優という立場から、見ている人たちにメッセージを発信しているといいます。

「俳優とは広範囲に何かを発信できる立場だということを受け止め、見てくださっている人たちの心に触れる何かを伝えられたらと日々思っています。それはもちろん、プロデューサーや監督といった方々の大切なメッセージがあってこそ。私たちはそこに俳優として参加して体現する重要な役を担っていると思っています。この作品にも大切な言葉や台詞が多いので、私自身も学びながら表現して届けたいと思います」

ちなみに真奈子が毎話必ず言う決め台詞は「私、失敗しちゃった」。後編では、完璧主義者だった松雪さん自身の “失敗への向き合い方”についてお聞きします。

<ドラマ紹介>
ドラマ10 Miss!? ジコチョー −天才・天ノ教授の調査ファイル−
[総合]毎週金曜よる10時
 

天才工学者が、毎回さまざまな事故を第三者の目で調べる「事故調査委員会(事故調)」に招かれ、秘められた真相に挑む。「陸王」「半沢直樹」の八津弘幸、「おっさんずラブ」の徳尾浩司らによる完全オリジナル脚本のミステリー・エンタテインメント。

<スタッフ/キャスト>
作:八津弘幸、徳尾浩司、吉田真侑子
音楽:真鍋昭大
出演:松雪泰子/堀井新太/須藤理彩/高橋メアリージュン/余貴美子 ほか
主題歌:[ALEXANDROS]「あまりにも素敵な夜だから」
失敗学監修:畑村洋太郎(東京大学名誉教授)
制作統括:小林大児(NHKエンタープライズ) 髙橋練(NHK)
演出:福井充広 笠浦友愛 家次勲
 

撮影/Michika Mochizuki ( Lorimer management+ )
取材・文/須永貴子
ヘアメイク /石田絵里子(エアーノーツ)
スタイリング/長谷川みのり
構成/笹本絵里
 
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