③ フレンチのシェフが作るスフレのような“幻のチーズケーキ”

ワインにも合う絶品プレミアムチーズケーキ3選【食のプロの手土産】_img0
「トゥルトゥー フロマージュ」¥4800 ※1週間前に要予約。発送も可能。

チーズの本場フランスには、いわゆるチーズケーキはほとんどないのですが、フロマージュブランと山羊のチーズを使った「トゥルトゥー フロマージュ」は例外。
トゥルトゥーとはタルトと言葉が似ていますが、このケーキの発祥の地であるフランス西部のポワトゥー・シャラント地方でとれる蟹のこと。その甲羅に似ているというのが、名前の由来です。

 

そしてなんといっても驚くのが真っ黒な見た目。ある日オーブンに入れっぱなしにしてしまった山羊のフレッシュチーズのタルトを出してみたら、真っ黒焦げに。でも中はふわふわしっとり、スフレのように焼きあがっていた、というのが元になっているそう。以来、この地の銘菓になったという、失敗から生まれたお菓子なのです。

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中はふわふわ、しっとり。見た目とのギャップも話題になりそう。

製法が難しい伝説のお菓子としても知られ、なんとか成功させてみたいと思ったギンザトトキの十時亨シェフは、失敗すること70回、やっと成功させたというから驚きです。
当初、山羊のフロマージュブランで試したのですが、日本人にはややくせの強い味になってしまうことから、最終的には山羊のフロマージュ、フロマージュブラン、カッテージチーズ3種をミックスすることに落ち着きました。

300℃以上の高温でまず20分、250℃に下げて20分、さらに180℃に下げて20分というように、段階を追って焼き上げるのがコツなのだそう。「粉を一切使わず、チーズと卵の力だけで持ち上げるので、トゥルトゥー(蟹の甲羅)形を保つのがすごく大変なんです。ちょっとでも条件が合わないとすぐに落ちちゃう」と、十時シェフ。

焦げ目がどんなに苦いのかしらと思って食べてみると、これが不思議なほど苦みは感じず、むしろ甘さの中に絶妙なアクセントになっています。その理由は炭化するギリギリ手前で止めているからだそう。
日本では購入できるところのほとんどない幻のチーズケーキ。シャラント=ポワトゥー近隣のロワールのサンセールと合わせれば、最高です。

「ギンザ トトキ」
東京都中央区銀座5-5-13 坂口ビル 7F
tel. 03-5568-3511

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