キレイが身近になった
3つの「改革」とは?

始める前に知っておきたい美容医療最前線「隠す時代はもう終わり!」_img0
 

「この流れに美容医療という市場がどのようにコミットしていくか。時代の変化とともに女性たちの内なる声に一番に応えていかなければならないのは、医者である私たちだと自覚していました。ですが、私一人だけが意気込んでもダメで(笑)、美容クリニック業界全体の底上げが必要だったんです。

 

それからの10年、美容医療がここまで進化した理由を私なりに考えてみたのですが、『3つの改革』が挙げられます。
1つ目は美容医療に携わる医者の増員。以前は、医者の中でも美容を医療とみなすことに反対している人がいて、医師の数、つまり母数が圧倒的に少なかったのです。個人的な意見として言うと、『医療とは患者さんのニーズがある限りは成り立つもの』だと思っています。患者さんの悩みに解決する手段があって、医者が治療してあげられるのなら手を差し伸べたい。そのためには美容医療の底上げとして医師の数は絶対的に必要でした。

2つ目は医者同士の横のつながりです。医師の数を増やし、その質を上げていくことは必要不可欠でしたから、横のつながりは大切なことでした。定期的に勉強会を開催したり、後輩の技術指導を行うなど医師のモチベーションはもちろん、患者さんの不安を取り除き、信頼を得ることに努めました。

3つ目は機械や薬品会社との連携です。シミ取りレーザーやフォトフェイシャルなどの治療には高スペックの機械は欠かせません。技術開発やメンテナンスなど機材メーカーさんの努力は計り知れないと思います。
ヒアルロン酸やボトックスの剤形もクオリティーが高くなりました。ダウンタイムが短くなりホームケアもしやすくなったこと、料金も改定されるなど、患者さんの立場になって考え、改善した内容も数多くあったと思います。これらが多くのクリニックに導入されたことにより、美容医療の認知が広がったというのは言うまでもありません」(髙瀬先生)


20代と40代とでは違う?
上手なクリニックの付き合い方

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「以前は“シミだけ、線(シワ)だけ”というピンポイントの治療を目的としていましたが、今は『きれいになりたい』『印象を良くしたい』と全体的な相談をする方が増えています。特に40代女性は医者と相談しながら治療を決めるコミュニケーション型に移行しています。お悩み別でいうとシミ、シワ、最近ではたるみ治療も増えています。

一方、20代は情報も手段も調べ、『これをやりたい』と明確にして来る女性が多いですね。ですが、お悩み内容と治療内容が異なっている場合も多く、話し合いをして治療方針を決めています。

患者さんに共通して言えることは、美容クリニックを一過性のコトとせずメンテナンスをする場として通院される方が増加していること。シミ治療を行った方が、今度はその予防のために通ったり、たるみや育毛、医療としての痩身の治療も行うなど、内容も広く、深くなってきました。これに応えるべく、私たちも常に新しい治療法を学び、患者さんの声に寄り添っていかなければならないと感じています」(髙瀬先生)

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ウォブクリニック中目黒 総院長・髙瀬聡子先生

慈恵会医科大学卒業後、同付属病院本院にて臨床研修終了。1996年慈恵会医科大学付属病院皮膚科に入局し、皮膚科診療に従事。アトピー外来・レーザー外来などを担当。2003年にはその知識をモノづくりに活かし、ドクターズコスメ「アンプルール」を立ち上げ、07年にウォブクリニック中目黒を開業。クリニックの診療時間以外にも雑誌や海外講演など精力的に活動している。

取材・文・撮影/長谷川真弓
構成/片岡千晶(編集部)

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