ファン急増中! ジュニアのアイスダンス、吉田唄菜/西山真瑚組。写真:田村翔/アフロスポーツ

女性誌を中心にフードライターとして活躍しつつ、実はフィギュアスケートの記事も担当している齋藤優子さん。羽生結弦選手や小塚崇彦さんにインタビューしたことも! グランプリシリーズ・ファイナルの行方も気になる今日このごろですが、シングルではなく、今回はアイスダンスのお話を伺いました。お楽しみください!

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羽生結弦選手と紀平梨花選手がファイナル出場を決めたグランプリシリーズ第6戦のNHK杯。11月22日(金)~24日(土)に行われたこの大会には、もうひとつ、とびっきりのニュースがありました。

それは、ペアの“りくりゅう”こと、三浦璃来&木原龍一組が、なんと! 5位に入ったこと。たしかに、経験は少なからずある2人だけれど、結成わずか3か月の、国際大会のデビュー戦での5位は、おおげさではなく、快挙。いよいよ、日本のフィギュア界にもカップル競技の時代到来か!? と、思わずワクワクしてしまったのにはワケがあります。

実は、これと同じようなサプライズが、アイスダンスにも。で、今回は、そちらの話です。今季ジュニアデビューした“うたしん”こと、吉田唄菜/西山真瑚組の登場。結成半年足らずで出場したジュニアグランプリシリーズのアメリカ大会で、いきなりの6位! 

いや、結果もさることながら、この2人、演技が始まるやいなや、観客の目を釘付けにして離さないキラッキラの輝きを放っているのだ。ジュニア時代から注目されていた深瀬理香子/立野在組の立野選手が、シニアにあがって、さぁこれからという時にケガで引退。オリンピアンの村元哉中/クリス・リードがパートナーシップ解消と、どんよりとしていたアイスダンス界に、突如差し込んできた、まばゆい太陽の日差しのごとき存在なんである。


“うたしん”こと、吉田唄菜/西山真瑚組登場に、長蛇の列!

右がうたしん、左が、昨年の全日本ジュニアで優勝した“あゆみつ”こと、高浪歩未/池田喜充組。あゆみつにとっても、うたしんの登場は刺激になるはず。写真:田村翔/アフロスポーツ

そんな思いが確信に変わったのが、去る11月15日(金)~17日(日)に行われた全日本ジュニア選手権大会。初日15日の競技は、20時からアイスダンスのリズムダンス(シングルでいえば、ショートプログラムにあたる)のみ。ところが、開演1時間30分前にして、会場となったKOSÉ新横浜スケートセンターの前には、な、な、なんと長蛇の列! 

たしかに無料だけど、ジュニアの、アイスダンスの、それもたった2組、たった18分に、ですよ。なんでも、朝の9時半から並んだ人もいたそうな。

行列を見つけ、“羽生くんが出るの?”とつぶやいた、通りすがりのおじさんが知ったら、腰を抜かすに違いない。この金の卵たちをひと目観ようと集まった観客は、結局、審査員側の客席には収まりきらず、リンクに吉田唄菜/西山真瑚組、高浪歩未/池田喜充組が登場すれば、どちらにもバナーがあがり、あちらこちらから歓声が! その様子はニュース記事にもなったほど。しかも、驚いたのは、フィギュア観戦は初めて、という声が、前から、後ろから聞こえてきたこと。う~ん、ほんとにアイスダンスブームがきてしまうかも!? ということで、この大会を制し、来年1月、スイス・ローザンヌで行われる冬季ユースオリンピックへの出場も決めた吉田唄菜/西山真瑚組の魅力をみなさまにご紹介させてください。