タレントの小林麻耶さんが、読者の方と「ほっとできる時間」を共有したい、そんな気持ちでお送りする連載です。
パーティシーズンに向けて、家庭で楽しめる料理を習いたい、イタリアンの基本を知りたい、とイタリアンの巨匠、「リストランテ アルポルト」の片岡護シェフのもとを訪れた小林さん。今回はメイン料理に挑戦。おいしいステーキの基本の焼き方を教えてもらいます。
今回作るのは…
「牛肉のタリアータ」
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片岡シェフ さあ、いよいよメイン料理、牛ロースのステーキです。焼いたお肉を切った状態のものを「タリアータ」といいます。しっかり厚みがあるお肉で作るとおいしいですよ。まずは、両面に塩をふりましょう。
小林さん ずいぶん、高いところからふるんですね。
片岡シェフ 親指と人差し指、中指の3本を使って、指をこすり合わせるようにすると、雪のようにキレイに落ちていきます。端のほうも忘れずに、まんべんなくね。それから、こしょうもふりましょう。
片岡シェフ フライパンにオリーブオイルを入れて温め、いんげんを入れます。そこに、パスタの茹で汁をちょっとだけ加えますよ。
小林さん パスタの茹で汁! ない場合、家庭ではどうしたらいいでしょう?
片岡シェフ 普通に塩こしょうすれば大丈夫。それと、お湯。そうしてフライパンを動かしながら混ぜると、オイルが乳化します。はい、これでできあがりです。
小林さん は、早い。あっという間に付け合わせができました!
片岡シェフ 次に、お肉を焼きましょう。フライパンを強火で温めてオリーブオイルをひきます。油をまんべんなくぐるーっとなじませて、ちょっとそのままにしておいてください。十分に温まったらいったん火を止めて、お肉を入れます。ほら、じゅ〜っと煙が立つでしょう。これが大切。そうしたら、また火をつけます。
小林さん なぜ、お肉を入れる前に火を止めるんですか?
片岡シェフ 熱いフライパンにお肉を入れると脂が飛び散って、引火する場合があるんです。IHでしたら大丈夫ですが、ちょっと怖いな、という方は一度止めるといいですね。
さて、ちょっと、焼き目を見てみましょうか。いい焼き目がつくまで、あと10秒くらいかな。
小林さん おお〜。けっこう、強火で焼くんですね。
片岡シェフ 強火で焼くとお肉の表面にできた焼き目が膜になって、肉汁が外に出るのを防いでくれるんです。少し揺すりながら焼いていきますが、あまり動かしすぎないようにね。はい、ではそろそろ、バットにアルミホイルをセットしてください。
小林さん はい、バットにアルミホイルを広げるんですね!
片岡シェフ アルミホイルの上にお肉を置きますよ。ちょっと、お肉の表面を触ってみて。うん、このぐらいの弾力がベスト。左手を軽く握って、親指と人差し指の付け根の間を押してみてください。この固さと同じくらいがベスト。軽く握るとミディアムレア、ギュッと握ったときの固さがウェルダンです。
小林さん おお、ウェルダンはけっこう固いんですね。こうやってチェックするんですね!!
片岡シェフ そうしたら、お肉をアルミホイルで包みます。それからさっきお肉を焼いたフライパンに筒状にしたアルミホイルを敷いて、包んだお肉をのせます。さらにふたをして、このまましばらくおいておきましょう。
小林さん 冷めないように、ということでしょうか?
片岡シェフ まだフライパンが冷え切ってないでしょう。こうしておくことで、自然に熱が入っていくんです。
小林さん なるほど〜。
片岡シェフ その間に、ソースを作ります。フライパンにバルサミコを入れて、煮詰めていきますよ。途中でレモンを絞って、かき混ぜながらね。最初はシャバシャバしてるんですが、だんだんトロみのあるソース状になっていきます。この作業をしたくないなら、高いバルサミコ酢を買ってきてください。買った時点で、すでにトロッとしていますから。
小林さん え〜、そうなんですね。でも、私はふつうのバルサミコ酢を煮詰めます(笑)。はい、ずいぶんトロッとしてきました。
片岡シェフ じゃあ、オリーブオイルをちょっと加えて。ここで、味見をしてみましょうか。
小林さん ……お〜、おいしい。濃厚! 甘みと酸味がいい感じです。
片岡シェフ そうしている間に、お肉にもちょうど火が通りましたよ。
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