実はシンガポールのインターナショナルスクールで、日本人PTAの役員をやっています。ママ友に「ええっそんなのに手上げちゃったの!?……でもまた書くことが増えるね」と言われて、はいその通りでございますという感じなのですが、役員をやっていなかったら関わらなかったであろうイベントにがっつり関わって、親子ともに学んでおります。

 

インターのPTA組織はそもそも任意参加で日本のPTAよりかなり緩いうえに、今の役員メンバーのなかには共働きもいて、話し合いなどにできるだけ無駄な時間をかけずにさくさくと決めたいという思いで一致しています(たぶん)。なので、お互い負担感をできるだけ減らしつつ好きなように活動できている面があります。

それで、先日クリスマスのバザーに日本人PTAとして出店をしました。バザーのためにお母さんたちが夜鍋して……って、そんなの童謡の世界か!と思っていたのですが、手芸などは自分の子どものためでもほとんどしない私。はなから、持っていくのは本棚から溢れている中古本くらいかなと考えていました。

でも、ふと家の中の子どものおもちゃ整理をしていたら、一時期、娘がはまって量産したビーズのブレスレットがたくさんありました。作るのは楽しいけど作ったら放置している……。これを売りに出したらどうかなと他のPTAメンバーに聞いてみました。とりあえず出してみよう!ということで1シンガポールドル(80円弱)で出品してみたところ。結構売れたーーーー! 置いておくだけで、10個くらいは売れました。

 

息子は、自分も何か売りたいと折り紙で折った手裏剣セットを作って出品していたのですが、こちらは、なかなか売れませんでした。興味を持ってくれる子がいても、他のものに目移りをしてしまったり、親側も決め手がないと買ってくれない。うーんやっぱりただの折り紙を売るのは厳しいかなと思ったのですが、私が店番の時に息子に隣にいてもらい、「彼が作ったんです」「日本のニンジャの武器で、飛ばして遊ぶんだよ」と説明をすると、買ってくれる親子が現れました! これはうれしい。

結局、手裏剣セットは4個中、2個売れて息子の実入りは2ドル。今回は材料費を除いて学校に寄付することになっていましたが、私から売れた分の同額をお小遣いとして渡すことにしました。売り上げはこれだけど、全部で材料にはいくらかかった? 売れ残りの在庫を考えると? などと説明すれば、利益を得ることの大変さも実感したと思います。

このように考えると、なんと良い経験をして帰ってこれたことか。バザーって、なんとなく親が頑張らないといけないものというイメージが強い気がするのですが、子どもに好きなものを作ってもらい売るのも手伝ってもらえば、親はらくちん、子どもは工作ができて、社会勉強にもなる……と一石三鳥くらいになりそうな気がします。

とかく悪名高い日本のPTAは、PTAの存在意義のために仕事を増やしているというような話も聞くのですが、もともとは子どもの学校での活動をよりよくするためのもののはず。親の負担を増やさずに、いい形で楽しく活動できるといいのになと思います。

 

前回記事「「家にある本の数が学力格差につながる」は本当か」はこちら>>