大手転職サイトに登録し中小企業で「ひとり総務」を探している企業を中心に転職活動をし、希望通りの年収で採用されました。そして昨年、現在の勤務先であるベンチャーへ再度の転職。当初は契約社員だったものの今年からは正社員へ転換。給与もやや低かったものを前職並みに交渉して戻してもらったと言います。報酬や給与をめぐる交渉を苦手とする女性は多いのですが、人事経験もある藤田さんは「言わないともったいない!」と話します。
「もちろん、嘘をついたり、ごまかしたりするのはダメですけど。でも、きちんと自分の経験や強みを棚卸しした、明確な下地があったうえでの提案であれば、会社は検討してくれるものだと思いますよ」
転職や独立に際し、最初から条件にこだわりすぎてしまう方もいるのですが、藤田さんのようにまずは契約社員からスタートして、実績を出してから雇用形態や報酬を交渉するというのも一つの手。これは他の40代女性のみなさんにもぜひお伝えしたいポイントです。
もう一つ、藤田さんが40代からベンチャーへ飛び込んだのには理由がありました。
それが「英語を使って仕事をしたい」というもの。
現在、藤田さんが働く会社は社内メールや資料は英語が基本で、社員の半数近くを外国籍の社員が占めます。「学生時代から洋画を観るのが好きで英語に興味を持つようになって。20代30代は英会話スクールに通ったり、テキストを使って独学したり、自分なりに勉強してはきたんです。でも伸び悩んでいて。今回、思い切って英語漬けの環境に転職してみました」
今は身振り手振りを交えて周囲にも助けてもらいながらビジネス英語のスキルアップにも取り組む日々です。
そんな藤田さん、40代に入って新たに見えてきた目標もあると言います。「今までは幅広く経験することが自分の強みだと思っていました。でも自分の年齢を考えるとこれからは突出した何かをつくっていきたい。総務の仕事を極めて『総務のプロフェッショナル』を目指していきたいです」
総務や管理部門のお仕事をされている方とお話をすると「何も専門性がなくてて……」とおっしゃる方がいます。でも「総務のプロ」「管理部門のプロ」はれっきとしたスペシャリスト。特に中小やベンチャーの企業では、総務や管理部門のスペシャリストとして機動力高くお仕事を遂行できる方が強く求められています。
40代は「キャリアの絞り込み時期」です。キャリア上の不安や迷いと決着をつけ、進むべき方向性を見極める時期にあたります。「総務のプロフェッショナルを目指したい」という目標が見えてきた藤田さんはまさにそれ。みなさんはどうでしょうか? 50代以降のキャリアの成熟期へ向けて、進むべき方向、見えてきていますか? いまいちど振り返って考えてみてもいいかもしれません。
前回記事「介護のために40代で会社を辞めた女性が、フリーランス&週3ワークの日々から得たもの」はこちら>>
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