生活費の共有口座のほかに投資用の共有口座を

夫より妻がお金を管理したほうが貯まるという現実【投資教育のプロに聞く】_img0
 

――買い物や出かける予定などを考えるのは、女性が多いですものね。女性の方が日々のお金に接しているといえそう……。

野尻:そう思います。共働きの場合、生活費や日々の支払いのための共有の銀行口座があっても、「家族共同の資産運用口座」がある家庭は少ないのでは? 

――確かに、運用のための共有口座がある家庭はなかなかいないかも……。

野尻:夫と妻、それぞれに資産運用口座があるのはいいことですが、相互監視機能がない点には注意。どれくらい増えているかは、自分しか知りませんよね(笑)。ぜひ、夫婦で相互監視できるような、共同の資産運用口座を持つことをおすすめしたいです。

夫婦で勤務先が違えば、夫の会社では、財形貯蓄ができたり、確定拠出年金ができたりするかもしれない。それならそちらでしっかり貯めて、妻の方では、普段の生活費の支払いを多めにするなど、2人のお金を家族全体で見てバランスを取れればいいと思うのです。

――野尻さんのご家庭も、バランスを取られていますか?

野尻:私はずっと100%株式投資で、妻は私の知っている限り100%銀行預金です。それで、家族全体の資産ではバランスが取れていますよね。今は子どもが3人とも独立したので、2人が生きていく分だけあればいいですから。

家族全体でバランスを取ったうえで、それぞれ自分が好き勝手にできる口座を持つのは、もちろんアリ。家族全体の資産を増やしていきながら、かといってお互いすべてのお金を監視するまではいかないような、ちょうどいいバランスを見つけてほしいです。

文/西山美紀
撮影/山本遼
構成/片岡千晶(編集部)


 

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