横石 僕もそれやりたいです。友達をあつめればいいんですか? 「お前は生きてるだけでいいんだ」と言われようと思ったら、誰を集めれば(笑)。
田中 (笑)。私たちは外部のファシリテーターの方に入ってもらいましたね。第三者に入ってもらうことは大きいかも。
佐藤 たしかに、仲のいい人にただ「そのままでいいよ」と言われても、なかなか。
横石 ヨコでもなくタテでもなく、ナナメの関係でこそ気付くことが多いというのはどこも一緒ですね。じゃあ次は、佐藤さんのタグを。
佐藤裕美さんのタグ
①コミュニティ≒パブリックリレーションズ
②3人産んでからの覚悟
③お節介おばちゃん
佐藤 ①は、私はもともと広報をしていたのが、今はコミュニティマネージャー。アプローチの仕方は変えつつ、いずれもリレーションを仕事にしています、という話です。②は、私は子どもを3人産んだ後に転職してるんですが、その時にした覚悟のことです。1日24時間しかない中で、本来なら子どものために割くべきかもしれない時間を仕事に使うなら、絶対子どもに「かあちゃんかっこいい」と思ってもらえる仕事をしよう、と。
横石 かっこいいですね。旦那さんも応援してくれたんですか?
佐藤 大手企業からベンチャーへの転職だったのもあり、最初は反対も。でも私の覚悟に気付いたんでしょうね。私も、なぜそう思ったのかを何度も話して、最終的にはちゃんと納得してくれました。③は、私がリレーションの仕事をしている根本にあるもの。例えばすごく美味しいものがあった時に、「これ絶対あなたの好みに合うと思う!」って人にすすめたくなるんです。
3人のタグから“お手本”を習ったところで、いよいよ実践へ。参加者の中からは「世界一のママ」「自由人」「giver」「新入社員」「プロダンサー」「猟師」など、予想以上に多彩なタグが!
田中 見た目からまったく想像できないタグが出てくると、思わず掘り下げたくなりますね!
横石 タグの面白いところはそこなんです。なので僕は、会社の名刺の裏にこの3つのタグを載せることをすすめたいんです。「プロダンサー」なんて言われたら、仕事そっちのけですよね(笑)。
最後には質問タイムも。
質問者 隣の人とタグの見せ合いをして「もっと話を聞いてみたい」と思った一方、自分と比べて「私のなんて全然だな」という気持ちも……。こうやって人と比べてしまうことはありますか? その時はどうやって解決しますか?
田中 私も人と比べまくりです(笑)。「ありのままの自分を受け入れる」とか「自分と人は違うと理解する」とか、言うは易しで、心の底からそう思えるようになるにはすごく時間がかかるし、なかなか自分だけではなし得ないこと。それでも少しずつ、自分というものを正しく認識するには、周囲との対話でもいいし、コーチングやカウンセリングなどを利用するのも有効だと思います。でも、私もまだまだですよ。
横石 僕は、そこから逃げるようにしています。自分と他人を相対化してしまう状況って、つまり似たような人が集まってるとか同じような環境に置かれているとか、ダイバーシティがないってことだと思うので。変な人ばっかりの中にいたら、その人と自分を比べて落ち込むことなんかないでしょう?(笑) SNSなどで人と自分を比べてしまうのもそう。ダイバーシティが作られていない仕組みや環境のせいと思うので、僕なら遠ざかって人のせいにしちゃいますね(笑)。
「キャリアアップは、まず自分の棚卸しから」とよく言われるものの、実際どんなふうにしていいかわからなかった、という人も多いのではないでしょうか。また転職などの予定がない人も一度自分の棚卸をしてみると、日々の忙しさについ忘れていた、好きなことややりたいことに改めて気づくきっかけにもなりそうです。
今年も残りわずか。この一年を振り返ったり、新たに来年の目標をたてようとしている人も多いはず。一緒に「3つのタグ」も考えてみてはいかがでしょうか。
前回記事「「私なんか全然」が口ぐせのあなたは“インポスター症候群”かもしれない」はこちら>>
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