これぞ、フィギュア! という美しきスケートを体現する17歳。


そして、もうひとり。こんなジュニアがいる日本が誇らしい、と思わせてくれたのが、女子シングルで、やはりジュニアにして3位、表彰台に上った川畑知愛選手、17歳。世界でも注目されているという特大の3回転ルッツー3回転トゥループの連続ジャンプもさることながら、スケートの速さ! なんでも、今年導入された、リンクカバー率やスケーティング速度がわかるアイススタッツによると、今大会では男女通していちばんスピードが出ていたとか、いないとか。それになんといっても、女子高難度ジャンプ時代が到来して、薄れつつある、これぞ、ザ・フィギュアスケートという、大きく、伸びやかで、美しい滑り。ショート「美しき青きドナウ」の優雅なこと! そして、フリー「夢二のテーマ~Sikuriadas」のクライマックスの流れるようなステップ! どちらも、ステファン・ランビエールさんの振付で、彼のそれは“体の使い方が難しい”と聞いたことがあるが、それを微塵も感じさせない演技。イタリアのカロリーナ・コストナーさんのスケートが理想だと聞いて、納得。しかも、今季からコーチに加わったのが、あの太田由希奈さんですよ! 氷上のバレリーナと呼ばれ、現役引退後のアイスショーでも、美しいレイバックスピンやイナバウワーなどで、ジャンプを跳ばずして観客を魅了していたスケーターの。スピンにも、ますます磨きをかけて、遅咲きでもいい、あせらず、熟成させていってほしいもの。

全日本での台乗りで、世界ジュニア選手権に選ばれた川畑知愛選手。ジュニアながら、すべりはシニア選手のよう。来季はいよいよシニアに参戦!?写真:田村翔/アフロスポーツ