今まで読んでくださっていた方、ただいま~。
初めて読んでくださる方、はじめまして。

10年以上にわたり、年に1回、母とヨーロッパ旅行をしている太田篤子と申します。ミモレでは以前、『母とヨーロッパへ行く』というブログを書いておりまして、同タイトルで書籍も上梓しています。
2019年度の“母娘ヨーロッパ旅”は、イタリアとクロアチアに行ってまいりました。今回またこの旅についてお話しいたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

こちらはクロアチアのモトブン。早起きして城壁からの朝日を撮影。赤く連なる屋根の上には霧がたなびき幻想的な風景でした。早起きした甲斐がありました!

多くても2つの国、ほとんどはのんびりと1つの国を回る旅をしていた私たちですが、今回は図らずも5ヵ国に足を踏み入れることになりました。「図らずも」というのは別名トラブルとも呼びます(苦笑)。
胸がいっぱいになるような景色もたくさん見られたけれど、落ち込むようなトラブルにも巻き込まれました。「昨日までは天国だったのに~」とぼやく私の横で「ふふーん」と風に柳の母。今回は妹(主に私の励まし役)も一緒の旅だったので本当に助かりました(母と2人だけじゃなくてよかった~涙)。

 

10年以上これといった大きなトラブルもなく楽しいだけの旅だったので、少し落ち込みはしましたが、ある意味新鮮でもありました。転んでもダダでは起きないワタクシ、いろいろ学んで参りましたよ。このトラブルについては、後日詳しくお話ししますね。


さて、母との旅はいつも何かテーマを持って行きます。小説やエッセイなど本の舞台となった小さな村に行くこともあれば、このホテルに泊まってみたいとホテルを中心に行先を決めたこともあるし、当時、「老後に移住したい町世界一」に選ばれた街を訪ねたこともありました。

そして今回は、満を持してのイタリアのトリエステ。母が大好きな随筆家、須賀敦子さんのエッセイ集『トリエステの坂道』に登場した街で、長年、母が行きたがっていた目的地でもあります。イタリアの最東端、ちょうどブーツの膝の裏くらいの場所です。スロベニアとの国境に面していて、そのさらにおとなりの国、クロアチアまでもすぐなので、今回は車でその2ヵ国にも足を延ばすことにしました。

トリエステで須賀さんが一番に訪れたウンベルト・サバ書店の前で記念撮影。サバが経営していたころは「ふたつの世界の書店」といったそう。

トリエステは今まで何度も候補に挙がっていましたが、日本からだと直行便もなく、なかなか行きづらい場所にあるため、「またいつかね」と決められずにいました。もう、次のお誕生日には80歳になる母。膝の調子もあまり良くないので、もしかしたら、来年はもうハワイなどゆったりした場所にしたほうがいいかもしれない。そんな理由もあり、まだ歩けるうちに思い切って行っておこうということになった次第です。

 
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