髪型選びは自分の棚卸しから始まる


さかい mi-mollet読者の方々も、なりたい自分像や、そもそも、したい髪型がわからないという方が多いんです。

さとゆみ それにはまずやっぱり、拙書『女は、髪と、生きていく』のワークシートを書いて、自分の棚卸しをして欲しいんです。自分が言われたい形容詞を20個書き出すという内容なんですけど、イベントでも、皆さん3つ目、4つ目くらいまでは書けても、10個過ぎた辺りから苦しくなってくる。だけど実は、10個過ぎてから書いたことの方が本当になりたい自分だったりするんですよ。最初は「美人」とか「色っぽい」とか書いてた方が、最後に「元気に見える」と書いてて、「あ、私、疲れたんだ」と気がついたりして(笑)。

さかい 20個書き出すことで、ようやく本音が出てくるんですね。

さとゆみ そう。特に40代辺りだと、皆さん、自分に矢印が向いてないでしょう? だから、「ここらで一度、自分に矢印を向けていいんですよ」ということを伝えたいですね。


40歳は綺麗の分かれ道!


さかい だけど40代になると、自己肯定感がどんどん低くなったり、「今更、綺麗なんてもう無理……」と思ってしまったり。自信を持つのが難しく感じる
ことも多いです。

さとゆみ 40歳はね、綺麗の分かれ道なんですよ。40歳って、久しぶりに同窓会やるでしょう。そこで綺麗の下克上が起きていると、私は思っていて。

さかい 綺麗の下克上(笑)!

さとゆみ ありませんか? 昔はミスなんとかだった子が落ちぶれた感じになっていたり、全然目立たなかった子がすごく綺麗になっていたり、とか。あれって、結構「髪」だなあと見ていて思うんですよ。そこに手をかける気持ちの余裕があるかどうか。

 

さかい 自分に矢印が向いているかどうかということですね。

 

さとゆみ そう。そこが、40歳の分かれ道ですから。40で踏みとどまるか、「もう私なんか」と思ってしまうか。モテ髪師 大悟さんという方がよく言う言葉で、私の好きな、「人は自分を扱うように人からも扱われる」という言葉があるんです。女性も、「私なんておばちゃんだから」って言った途端、おばちゃんとして扱われるんですよね。だけど「綺麗にしてる感」がある女性って、適当に扱えないじゃないですか。子供ですら、「この人をおばちゃんと呼んでいいかどうか」って、空気を読みますよね? その「自分を丁寧に扱っている感」というのを、40からは持っていて欲しいなと思います。

さかい 「おばちゃんと呼ばせない気迫」が、40歳からの美人の資質なんですね……!