日本初の「ヘアライター」として、4万人以上の女性たちの髪を見続けてきたヘアライター/エディターの〝さとゆみ〟こと佐藤友美さん。美容師も髪型も、「自分で選ぶ」ことが大事だという、その真意は? さとゆみさんとライター・さかいもゆるさんの、「アラフォー世代のヘアのお悩みあるある」トーク!

日本初のヘアライター&エディターの佐藤友美(さとゆみ)さん。ヘアアドバイザーとして全国の女性の髪の悩みにこたえるほか、美容師向けの講演なども多数行っている。


過去のNGヘアの呪縛から抜け出そう


さかいもゆるさん(以下、さかい) 前回でも少し触れましたが、そもそも似合う髪型がわからないという声が、すごく多いんです。

佐藤友美さん(以下、さとゆみ) よく、「私ショートが無理なんです」「ボブが似合わないんです」とか、「コレがダメだ」と皆さんおっしゃるんですが、それを一旦止めて欲しいなと思うんです。たしかに〝似合うショート〟と〝似合わないショート〟、というのはあるんですよ。前回たまたま、〝似合わないショート〟にしたときに、「ショートがダメだ」と思っちゃっただけなんで。まずはその先入観を取っ払って欲しい。特に多いのが、パーマの失敗。だけど今は技術も進歩していて、ソバージュみたいにはならないし、すごく可愛くしてもらえるから。その、過去の呪縛から解き放たれたところで、したい髪型を考えるところから始めてみて、と言いたいです。

 


美容院での「お任せ」はやってはいけない理由


もうひとつ、絶対に「やってはいけない」のが、美容院で髪型をお任せにすることだとか。

さとゆみ 美容院で「お任せで」とか、「似合うようにしてください」とオーダーするのは、すごく乱暴なこと。美容師さんは髪のプロではあるけれどエスパーではない。何なら病院でドクターに向かって、「先生、私のこと手術していいのよ。さあ、どこが悪いのか当ててみて?」と言うくらいに雑なことだと思っていただきたい(笑)。みんな病院だと命がかかっているから一生懸命話すけど、「美容院はしょせん髪でしょ」って思うかもしれない。だけど髪にも、まぁまぁ命がかかっていると私は思っていて。それで素敵な人と出会って結婚するかもしれないし、仕事もうまくいくかもしれない。そういう例をたくさん目の当たりにしてきたので、ぜひ身体の不調と同じくらい、真剣に取り組んでいただきたいと思うんですよね。

髪質に合わなくても、「なりたい髪型」は手に入れられる


さかい いざ、したい髪型がみつかっても、この年齢になると、うねり毛や生え際の白髪、ハリやコシが出ないなどの悩みで、実際にはできない髪型もでてきます。そういう問題にはどうやって対応すればいいのでしょうか。

海外セレブウォッチャーとしても大人気のライターさかいもゆるさん。セレブたちのセルフプロデュースと髪型の変化についても注目。

さとゆみ 美容師さんって実は、「最近髪にコシがなくなってきたな」とか髪悩みに関しては、髪の毛を触った時点でわかるんです。だから言わなくてもいいくらい。ただ、こちらから悩みを口にすることで、美容師さんが提案しやすくなるというのはあります。「薄毛が気になってるんです」と言えば、「それをカバーするにはこうしましょう」と。だけどコンプレックスをカバーするだけが髪型ではないので。悩みを伝えた上で、「こうなりたい」というのを伝えるのが大事。

当然、年齢が変われば、髪質によってできない髪型は出てきます。例えば毛量の問題で、スーパーロングはちょっと難しくなってきた。そういう場合でも、〝スーパーロングで手に入れたい自分像〟というのは、ショートでも手に入れることが可能だったりするんです。ミステリアスな雰囲気にしたいなら、それはショートでも実現できるし、色っぽくしたいと言うなら、ミディアムでもショートでもできるんです。

さかい なるほど。だから著書『女は、髪と、生きていく』にあるワークシートで、まずは「なぜその髪型をしたいのか」を掘り下げることが大事なんですね。(ワークシートの書き方は対談前編を参照>>

さとゆみ そうすることで、自分の願望がどこにあるのかが見えやすくなるんです。最近の美容室の技術を持ってすれば、したい髪型をあきらめる必要はそんなにないですし。自分の髪質のことは一旦忘れ、「なりたい自分像」を先に考えて、「できる髪型」とのベン図を合わせるのが、「似合う髪型」への近道かなと。