「やりたいことをやる=他人に嫌われる」じゃない


「とはいえ、この年齢になって、自分に嘘をつきたくないという気持ちはすごく強くなってきました。関わるのであればちゃんと納得しながら関わりたいと思いますよ。まあでも納得して関わったって、後悔する時はするんですよ。でも『後悔するかもしれないから』と諦めたくはないんです。『後悔したっていいじゃない』ってほうが納得がいくなって思います。私にとって人間らしいし(笑)。何でもいいわけじゃないけど、人に厳しくなりたくないし、私、万人にモテたいし……」

えっ?

「えっ?って、そんな(笑)。はっきりした意見があって、いかにも強そうな女って思われがちなんですけれど、そんなことないですよ。「自分がやりたいことをやる=他者に嫌われる」ではないと思うし、自分を生きている人が受け入れられ、認められる世界のほうが、いいと思いません? もちろん嫌われるつもりはなかったのに、受け入れてもらえないことはあるかもしれない。でも受け入れてもらいたい、他者と関わりたい、っていう気持ちを、諦めないでいたいんですよね」

自分に嘘をつかずに生きている人がモテる世界のほうがいい【女優・渡辺真起子】    _img0
 

渡辺真起子 Makiko Watanabe 1968年9月14日生まれ。東京都出身。モデルとして活動の後、森田芳光が製作総指揮を務めた『バカヤロー ! 私、怒ってます』(88) にて俳優デビュー。以後、映画・舞台・TV・CM など幅広く活躍。『M / OTHER』(99/諏訪敦彦監督 ) で第14回高崎映画祭主演女優賞を受 賞。『チチを撮りに』(13/中野量太監督 ) では、 第7回アジアン・フィルム・アワードにて日本 映画で初めて最優秀助演女優賞を受賞し、同年の第35回ヨコハマ映画祭では助演女優賞 を受賞している。自身もマカオ国際映画祭&アワード、東京国際映画祭、SKIP シティ国際 D シネマ映画祭など国内外問わず多くの映画 祭で審査員を務める。主な出演作に『殯の森』(07/河瀨直美監督 )、『愛のむきだし』(09/ 園子温監督 )、『ギリギリの女たち』(12/小林政広監督 )、『女が眠る時』(16/ウェイン・ワン監督 )、『友罪』(18/瀬々敬久監督)、『きみの鳥はうたえる』(18/三宅唱監督 )、『こんな 夜更けにバナナかよ愛しき実話』(18/前田 哲監督)など80本以上の映画に出演している。近年の出演作に、現在公開中の『風の電話』(20/諏訪敦彦監督)、公開待機作として2月28日より富山県で先行公開、3月20日より全国公開の『もみの家』(20/坂本欣弘監督)がある。

 

<作品情報>
『37セカンズ』
2020年2月7日(金)より全国順次ロードショー

自分に嘘をつかずに生きている人がモテる世界のほうがいい【女優・渡辺真起子】    _img1
 

生まれた時に、たった37秒息をしていなかったことで、身体に障害を抱えてしまった主人公・貴田ユマ。親友の漫画家のゴーストライターとして、ひっそりと社会に存在している。そんな彼女と共に暮らす過保護な母は、ユマの世話をすることが唯一の生きがい。

毎日が息苦しく感じ始めたある日。独り立ちをしたいと思う一心で、自作の漫画を出版社に持ち込むが、女性編集長に「人生経験が少ない作家に、いい作品は描けない」と一蹴されてしまう。その瞬間、ユマの中で秘めていた何かが動き始める。これまでの自分の世界から脱するため、夢と直感だけを信じて、道を切り開いていくユマ。その先で彼女を待ち受けていたものとは……。

監督・脚本:HIKARI
出演:佳山明、神野三鈴、大東駿介、渡辺真起子、熊篠慶彦、萩原みのり、芋生悠、渋川清彦、宇野祥平、奥野瑛太、石橋静河、尾美としのり/板谷由夏
配給:株式会社エレファントハウス、株式会社ラビットハウス
公式HP:http://37seconds.jp/

©37Seconds filmpartners

撮影/目黒智子
ヘアメイク/佐々木恵枝(sylph)
取材・文/渥美志保
構成/川端里恵(編集部)

 

 
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