2020年が始まって早一か月。半年後に東京オリンピック・パラリンピックを控える日本は、年が明ければ一気にお祭りムードになるのかと思いきや……。あまり気楽ではいられないニュースばかりが続いていますよね。いったい2020年はどんな年になるのか、心理占星術家の鏡リュウジさんと占術研究家の水晶玉子さんに改めて占っていただきました! 3つのキーワードから読み解く、2020年とそれ以降の世界の行方とは? まずは鏡さんのキーワードからご紹介します。

 

【鏡さんの2020年キーワード】
『骨格』
『伝統の確認』
『自由へ』

 


揺らぎの中から確かなものを掴もうとする1年


 1つ目の「骨格」というキーワードですが、これは社会の骨組みや、人間の内面の基礎となるもの、ということです。

水晶 すごい、実は私も一つ、かなり近いワードを挙げています。2020年は「堅実」「安定」の星である山羊座の力が強いですからね。

 2019年は“社会の土台が揺らいだ年”でしたが、この雰囲気は2020年も続きますしね。

水晶 「桜を見る会」問題や香港の民主化デモなど、国内外の政治を見ていてもさまざまな“揺らぎ”を感じました。

 こういう時って、時代の変化に不安を感じた人たちが、権威のあるものや昔からあるものを守ろうとするんですね。むしろ変化の時は人としての骨格、つまり教養や倫理観といったことが大切なのですが、今はそれよりも、いわゆる保守的な方向へ世の中全体が向かってしまっている印象です。

水晶 私も同じことを感じています。でも、そういった混沌の中から本当に大事なものを何とか掴もうとする、2020年はそういう空気が強くなっていくんじゃないかとも思いますね。

 まさにそう。なので2020年は、世の中の揺らぎに惑わされないことが大事なんだと思います。いい運気を呼びこむためには、その時代の波に乗ることも重要。さっき話したように不安から保守的になり過ぎるのは、開運的にはあまりよくないので気を付けてほしいです。今って、批判されるのが恐くて誰も何も言えないといった閉塞感が世の中に充満している感じがありますけど、そもそも少し批判されたくらいで揺らぐようなものは本物じゃない。本物ならそのまま伝えても炎上したりはしないし、本音を伝えることをそんなに恐れる必要はないんだということを、多くの人が気付く年になるといいですね。


若者の恋愛観からみえてくる「伝統回帰」の波

 

 2つ目の「伝統の確認」は、先ほど挙げた「骨格」とも関連していて。昨年から続く“土台が揺らぐ”気運の中で、変化による不安から「伝統の確認」も引き続き起こるんじゃないかと見ています。

水晶 だからなのか、今の若い人たちの間には、恋愛じゃなくていきなり結婚を目指す、といった空気がありますよね。交際ゼロで結婚、なんてケースもあるみたいですし。

 女性誌の企画も、「恋愛」より「婚活」という言葉が目立ちますもんね。ただ、日本の結婚って本来そういうものだったんですよね。かつては「自由恋愛」という言葉があったくらいですから。

水晶 たしかに! 昔の「ある年齢になったら親のすすめる相手と結婚します」とか「生活のために結婚します」といった感覚に戻ってきているというだけなのかも。

 結婚に囚われない自由な恋愛が当たり前になったのって80年代からですよね。ユーミンカルチャーはまさにその象徴で。

水晶 『恋人はサンタクロース』ですね(笑)。私は最近、西城秀樹さんの歌をよく聴いているのですが、“周囲に反対されて傷だらけになって”みたいな歌詞が多いんですよ。彼がブレイクした70年代はまだそういう感じだったのが、80年代になると一気に自由な空気になった気がします。

 70年代はまだ社会や伝統への反抗があった。そこが一回はじけて、今また伝統回帰の流れが起こっているのは興味深い現象ですよね。

 
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