今は“スクラップ・アンド・ビルド”の途中段階
鏡 最後のキーワードは「自由へ」です。2020年以降は風の星座のコンジャンクション(ホロスコープ上で、天体同士が重なる状態)が続くので、これからどんどん自由な風が吹いてくるだろうと読んでいます。
水晶 実際、世界的な潮流として“自由の風”はかなり来ていますよね。日本が世界から後れを取っている同性婚なども、もっと自然に受け入れられる世の中になっていくんじゃないかしら。ただ山羊座のせいか、社会規範みたいなものがややきつくなっている気もします。一度でも失敗したら二度と這い上がってこれない空気とか……。
鏡 ただこれは自由に向かう前の、一時の締め付けのような気もします。今まで依りどころとしてきた価値観が崩れそうになっているから、みんな不安になっているんでしょう。
水晶 そう考えると、今は“スクラップ・アンド・ビルド”のスクラップ、古いものを一旦すべて壊す時とも言えますね。
鏡 そうそう、それでみんな「スクラップに巻き込まれる!」と怖がっている。イギリスのEU離脱も、米大統領にトランプ氏のような人が選ばれたのも、つまりそういうこと。みんなつながっているんですよね。
水晶 イギリスのEU離脱は、まさに「自由へ」という感じがしました。2020年はそうやって右往左往しながら、物事の本質はどこにあるのかと模索し、先ほどおっしゃった「骨格」を構築していける年になるのではないでしょうか。
鏡 ただ、怖いからといって“スクラップ”を中途半端で終わらせてしまうと、状態はかえって悪化してしまうので気をつけてほしいです。土星と冥王星のコンジャンクションの時って、フロイトのいう「抑圧されたものの開花」のようなイメージがあるんですよね。つまり、今までずっとフタをしていたものが出てくる時。痛くても膿は出し切らなければいけません。
水晶 それに“スクラップ”の後には必ず“ビルド”が起こるはずなので、今があんまり上手くいっていない人は、むしろここから良くなっていくかも。
鏡 それよりも、今の社会に完璧に適応できている人のほうが要注意ですね。
水晶 1つ目のキーワードに戻るけれど、とくに社会の価値観を自分の価値観にしている人は、自分にとって本当に大事な芯となる部分、つまり「骨格」を見直すべき時でもある。2020年以降は今まで信じていたものがガラガラと崩れる、ということが起こるかもしれないのですから。でも、本当に大切なものほど本質は変わらないはず。混沌も恐れ過ぎないでほしいですね。
2021年以降は「友達」が幸運の大きな鍵に
鏡 少し先の話になりますが、2020年の年末にはみずがめ座でコンジャクションが起こるので、2021年以降は自由へ向かう勢いがさらに増すと思われます。そこで運をもたらしてくれるのが「友達」。みずがめ座って、友情の星座とも言われているくらいですから。
水晶 SNSでの交友関係には、すべてを知らないからこそ深く語れるといった良さもあるけれど、これからより必要になってくるのはリアルでの繋がりですよね。
鏡 これからは少子化で分かりやすい形の家族は減っていきますし、会社も安定したものではなくなっていく。そうなると今度は“サードパーティー”とでもいうような、家庭でも会社でもない、第三の人間関係がセーフティネットになってくると思うんですよね。遠くの親戚より近くの他人、ではないですが、血縁に縛られない友達との助け合いが幸せへのカギになってくるでしょう。
変化に不安はつきもの。その後には必ず創造的で自由な時代がやってくると思えば、混沌とした今にも希望が持てますよね。
鏡さんのものとも符合していたという、水晶玉子さんのキーワードは? 対談の後編は2月8日(土)公開です。
構成/山崎恵
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