今年はお仕事の兼ね合いもあり、例年よりたくさんのアカデミー賞関連作品を観ました。各賞のノミネート作品、そして授賞式を観ていて気づいたのは、オーバー40の女優たちが元気で魅力的なこと。

・『スキャンダル』で主演女優賞にノミネートされていたシャーリーズ・セロン(44歳)に、ニコール・キッドマン(52歳)。

・『マリッジ・ストーリー』で助演女優賞を獲得したローラ・ダーン(53歳)。

・そのローラとともに『ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語』に出演したメリル・ストリープ(70歳)。

・『ジュディ 虹の彼方に』で主演女優賞を獲得したレネー・ゼルヴィガー(50歳)。

この顔ぶれを見るだけでも、40代以上の女優たちの活躍が目立つことがわかります。
 

写真:The Mega Agency/アフロ

南カリフォルニア大学の調査によると、ここ数年にヒットしたTOP100の映画のうち11作品に、45歳以上の女優が主演もしくは助演で出演しています。「40を過ぎたら老婆の役しかない」といわれていたひと昔前のハリウッドから考えれば、目覚ましい進歩。

 

これは、女優たちが業界で力を増し、声を上げ始めたことはもちろんのこと、映画にお金を落とす消費者たちの高齢化もあるのではないかと、私は思っています。日本でもテレビドラマを観るメインの層は、私たちアラフォー、アラフィフ世代。だから恋愛ものを観ていても、アラフォー&アラフィフ向けの作品が多いですもんね。

それはさておき、『ジュラシック・パーク』以降はなかなか役に恵まれなかったローラ・ダーンに、6年ぐらい表舞台から実質の隠居状態だったレネー。このふたりが50代の今になって再びスターとして返り咲く瞬間を目の当たりにしたのは、本当に感動的なことでした。

男性の受賞者でいうと、『パラサイト』のポン・ジュノ監督然り、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で56歳にして初オスカーに輝いたブラピ然り。あきらめずに実直にがんばって来た人たちの努力が報われ、正当に評価される時代になってきたんだなあ、と。そんな実感を抱きました。

先日のスーパーボウルのハーフタイムショーのJ.Loもそうですが、音楽界もハリウッドも、輝いている50代がますます増える2020年。アラフィフの私は彼女たちのニュースを見るだけで励まされ、「私もがんばろう!」と元気をもらえるのです。
 

前回記事「J.Lo、スカヨハの近年の活躍からみる「女の旬」」はこちら>>