女性誌を中心にフードライターとして活躍しつつ、実はフィギュアスケートの記事も担当している齋藤優子さん。羽生結弦選手や小塚崇彦さんにインタビューしたことも! シーズンのフィナーレを飾る世界選手権を前に、「齋藤流 世界ジュニアの見どころ」をお送りします。

昨年の世界ジュニアフィギュアスケート選手権の男子シングル表彰台。優勝はアメリカの樋渡知樹、2位はロシアのロマン・サヴォシン、3位はイタリアのダニエル・グラスル各選手でした。さて、今年は? 写真:エンリコ/アフロスポーツ


表彰台を争うライバルはロシア勢か、イタリアか。
2015年以来のダブル表彰台も夢じゃない
鍵山&佐藤選手に注目


2019-2020フィギュアスケートシーズンもいよいよクライマックス! 3月18日からは、世界フィギュアスケート選手権2020がカナダのモントリオールで開催されるが、それよりひと足早く、3月4日からはエストニアのタリンで、新星たちによるハイレベルな戦い『世界ジュニアフィギュアスケート選手権2020』が繰り広げられます。

日本からは、男子シングルの鍵山優真、佐藤駿、女子シングルの川畑和愛、河辺愛菜各選手、そして、日本アイスダンス界の希望の星、うたしんこと、吉田唄菜&西山真瑚組が出場。

女子シングルは、北京五輪の金メダル候補ともささやかれる13歳のロシアの4回転ジャンパー、カミラ・ワリエラと、トリプルアクセルをものにしているアメリカのアリサ・リュウという2選手が強力なメダル候補だが、日本の2選手も表彰台の一画を崩すぞ! の心意気で上位を狙ってほしい。そして、うたしんには、3年前に深瀬理香子&立野在組が出した13位を超えるトップ10入りの報、期待してます!

写真:松尾/アフロスポーツ
写真:アフロ

日本から出場する鍵山優真選手(上)と佐藤駿選手(下)。四大陸選手権で、羽生結弦選手とともに表彰台に上った鍵山選手は、フリー「タッカー」のラストジャンプ、トリプルアクセルにシビれます。ジュニアグランプリファイナルをジュニアの世界最高得点で制した佐藤選手は、表彰台を狙って、フリーの「ロミオとジュリエット」で4回転ルッツを入れてきそう。

 

そして、ここで取り上げたいのが、ルッツ含む4回転ジャンプ目白押しの難度の高さもさることながら、近年、シニア顔負けの表現力と踊り子ぶりに目を見張る男子シングルの選手、中でもロシアだけじゃない、欧州男子の存在。

もちろん、表彰台争いで言えば、中心となるのは、やはり4回転とトリプルアクセルジャンプを揃えられそうな日本勢とロシア勢(ペトル・グメンニク、ダニール・サムソノフ、アンドレイ・モザレフ各選手、残念ながらダニール・サムソノフ選手は欠場に)、そしてイタリア男子シングル史上初のグランプリシリーズファイナリストになり、前回世界ジュニアでも銅メダルを獲得しているダニエル・グラスル選手あたり。

それを追うのが、13歳で4回転ルッツを含む3種類の4回転を成功させて話題を集めた(が、その後、成長期やコーチ変更などもあって、高難度ジャンプは不確定要素が多い)カナダのスティーブン・ゴゴレフ選手、4回転ジャンパーとして知られたブライアン・ジュベールさんが教えるフランスのアダム・シャオ・イム・ファ選手、ジャンプが決まった時のアメリカのアンドリュー・トルガシェフ選手あたりでしょうか。

日本の鍵山、佐藤両選手は、ロシア勢に比べて安定感が感じられるので、2015年の世界ジュニアに続く、ダブル表彰台も夢じゃない。なにせ、宇野昌磨選手が金、山本草太選手が銅メダルを獲得した大会の開催地もタリン、縁起もいい!