神経伝達物質の一種として知られるドーパミンは、快感や覚醒などに関係する重要物質ですが、カミノさんによると、内向型人間はその感受性が高いため、刺激に反応しやすいのだそう。

「ドーパミン感受性が高いことは、刺激に弱いことにも繫がります。ここでいう刺激とは、音や光などの物理的な刺激だけではなく、“新しい状況”“コミュニケーション”などの情報のやりとりも含まれます」

大音量にブラックライト、不特定多数の見知らぬ人々が入り乱れる“刺激的”なクラブは、内向型の最も苦手とする場所かもしれません……!

多くの人と関係を築くのが苦手。騒がしい場所にいるとすぐ疲れる。急にかかってくる電話のコミュニケーションが不得意……。このようなことに思い当たる人は、「刺激に弱い」という内向型の特徴ゆえだったのかもしれません。

しかし仕事となれば、電話を拒否するわけにもいかず……。内向型人間に適した“刺激を抑えた”働き方とはどんなものなのでしょうか。

 


内向型の仕事術① 集中できる環境を作る


「内向型人間の仕事にとってもっとも大事なことは、集中できる環境を作ることです。刺激に敏感で、集中するまでに時間がかかる内向型人間は、仕事に集中できずに パフォーマンスを発揮できないケースが少なくありません。
しかし逆に言うと、集中できる環境さえ整えられれば、優れたパフォーマンスを発揮するのも内向型人間の特徴です。仕事の準備には時間をかけてください。まずは、余計な刺激を徹底的に排除しましょう」

カミノさんいわく、机の上を整理することで視覚からの刺激を減らすだけでも、かなり楽になるとのこと。これならどんな職種でも、すぐにはじめられそうです。

内向型の仕事術② マルチタスクで仕事をしない


「今のビジネス界で流行りのやり方は、マルチタスクです。A→B→C→A→B…… と、時間を細分化してさまざまなタスクを同時に進めることが推奨されています。しかし、この手法もやはり外向型の脳を前提にしたものです。内向型人間には向いていません。
内向型人間は、逆を行くべきです。まずAを終える→次にBを終える→最後にCを終える、というように、一つひとつの仕事をまとめて、やり終えてから次の仕事に取り掛かるべきです。そのほうが、結果的には早く仕事が終わり、質も高いでしょう。車に例えるなら、加速には時間がかかるけれど、トップスピードなら誰にも負けないのが内向型人間です。細かい加減速でガソリンを消費するのは避けてください」

パソコンのデスクトップに複数のプロジェクトを展開するのではなく、一つずつ、着実に始めて終わらせることを意識すれば、やることに迷ってパニックになることもなく、ファイルを探す手間も省けそうです。