パソコンやタブレットを駆使したICT教育を率先して行い、日本の小学校教師として初めて「教育界のノーベル賞」と言われる「Global Teacher Prize(グローバル・ティーチャー賞)」にノミネートされた立命館小学校の英語教諭・正頭英和先生。
そんな正頭先生が家庭で英語学習を行う上でベストな教材としておすすめしているのが、「絵本」です。お家で過ごす時間が増えている今、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょう。

【英語教育】教育界のノーベル賞TOP10入り!家庭での完璧な英語教材は?_img0
 

正頭英和さん:立命館小学校教諭/ICT教育部長。1983年大阪府生まれ。2019年、「教育界のノーベル賞」と呼ばれる「Global Teacher Prize(グローバル・ティーチャー賞)」トップ10に、世界約150ヵ国・約3万人の中から、日本人小学校教員初で選出される。AI時代・グローバル時代の教育をテーマにした講演も多数。
 

 

3つの黄金ルールで絵本の多読をより効果的に行う 


ある程度リスニング力が身についた段階で、リーディングへ移行する手段として有効なのは、絵本の多読です。外国語大学でも、学生の英語力を高める手段として絵本の多読を用いるところが少なくありません。難しい英語の本を1冊苦労して読むより、やさしい英語の絵本を100冊読んだ方が英語力の向上に結びつきます。“多読マジック”です。 
家庭で絵本の読み聞かせをするならおすすめしたいのが、『ORT(Oxford Reading Tree)』シリーズ。ORTはイギリスのオックスフォード大学出版局が出している絵本シリーズで、イギリスの8割以上の小学校で教科書や副読本に採用されています。 

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ステージ1〜3が4〜5歳向け、ステージ4〜6が5〜6歳向け、ステージ7〜9が6〜7歳向けとなっていますが、これはあくまで英語が母国語のネイティブの基準。日本人なら中学生や高校生、場合によっては大学生や社会人まで対応できるでしょう。

僕の勤務校のメディアセンター(図書館)にも、ORTをはじめ、英語の絵本が多数所蔵されています。授業で「こんな面白い英語の絵本があるよ」と僕が紹介すると、好奇心のスイッチがオンになった子どもたちはメディアセンターに行き、絵本を借りて猛烈な勢いで読み始めます。「うちの子の学校にはない」という方も大丈夫。公立の図書館にも英語の絵本を借りられるところはあります。 

ただ、英語の絵本は、購入しようとすると高価なのが難点。そこでおすすめしたいのは、スマートフォンやタブレットなどで使える英語の絵本の定額制読み放題アプリ。英語絵本のサブスクリプション(サブスク)です。

サブスクなら好きなだけ絵本の読み聞かせができます。しかもアプリは、テキストをネイティブが読み上げますから、リスニングとリーディングを正しく同時に行えます。 
絵本のサブスクアプリのおすすめは「FarFaria」。2歳から9歳までの子ども向けの絵本の読み聞かせをしてくれます。おとぎ話や冒険ものといったジャンル別、そして PRE -KINDERGARTEN(未就園児)レベルから細かくレベル別に選べるようになっており、インターフェースも子ども向けで使いやすく作られています。有料コンテンツ (1ヵ月600円)ですが、1日1冊までは無料で読めますので、一度試してみるとよいと思います。 
 

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FarFaria
PRE-K(未就園児)、GRADE K(園児)など、細かくレベル別に選べるほか、子どもの興味に合わせてジャンル別にもお話を選べる。読み上げ中の単語がハイライト表示されるので、一緒に音読もしやすい。紙の本をめくるように画面上のページをめくることができて、子どもが読書の喜びを感じられるつくりになっている。