ここ数ヶ月のコロナ騒動で生活環境が大きく変わり、不安な毎日をお過ごしのことと思います。

「自主規制」のもと、日本の対応は甘いのか、それとも経済をうまく回していくためには打倒なところなのか、皆目検討がつかない状況です。見えない不安との戦いは、さらに不安を煽り、世界的に生活用品の不足や、根拠のない憶測が飛び交う日々に手立てはあるのでしょうか?

L Aの友人の一人は職を解雇される者もいれば、小さい子どもがいる家庭では家に引きこもる日々にストレスで嘆いている友人もいます。コロナショックは遠いことでなく、身近な誰かにも起こっていることだと身にすまされる思いです。

世界がこの状況を見守る中、落ち着いた判断のもと万全の心構えで生活することが一番。一方でこういう時こそ、私たちを取り巻く環境を振り返って考える時間なのかもしれません。

 

ところで、「種子法」をご存知でしょうか?

昨年のちょうど田植えの時季。グリーンと青空のコントラストが美しい季節。

戦時中まで国の統制下にあった農作物は、戦後、生活の安定と復興の目処が立った1952年にこの法案が成立しました。国から補助金が投入され、安定した種子の供給と、国民の食糧確保や公共財として守ることが、この「種子法」の成り立ちです。2016年11月に「農業競争力強化プログラム」が設立されたわずか半年ほどで「主要農作物種子法を廃止する法律案」成立し、戦後から継がれた種子法は、十分な国民への理解や農家さんの声が届かないままで可決。あまりにも拙速で進んだこの可決に全国の農家が集まり、「民間企業の独占による価格高騰や遺伝子組み換え作物による食の安全性への懸念」を訴え、これが憲法25条「生存権」に対し違憲にあたるとして東京地裁へ提訴されました。

また、現在のお米はほとんどが「自家採種」からなるもので、農家さんはその土地に馴染む苗を開発し、お米の個性や独自のブランドを確立してきました。ただ、新しい種苗法の改定により、この自家採種ができなくなるのでは?というのも懸念材料の一つとなっています。主な改訂案は以下の通り。

《種苗法改訂案の主な内容》

①品種の海外流出防止を目的とする措置 

②自家増殖の実質的な禁止 

③育成者権擁護のための特性表の活用

*詳しく知りたい方はこちらをご参考に。

大まかに説明させていただきましたが、種子法や種苗法に関して様々な資料や情報があり、一般的には非常にわかりづらく、複雑。また言い分もそれぞれにあり、掴みにくいのが正直な感想です。懸念されることもある一方、見方によっては決して悪いものではないのは確かですが、不明瞭でグレーゾーンがあるようにも見受けられます。前回の可決があまりにも早く進みすぎたことも要因なのかもしれませんが、この種子法の廃止から、これから種苗法の改定に至るまでは少なからずとも農家・国民への理解と熟考が必要と個人的には思うところで、日本の食の安全と生産者を守る法案にして欲しいものです。

【消費者が今できること】

調べるにあたり、何人かの生産者の方とも話しをさせていただきました。その中でこの法案以前に消費者の視点と生産者の視点がかけ離れすぎているような気がするとの声がありました。「安全で美味しいもの」を当たり前に求めるのは消費者ですが、TPPや原発問題、さらには相次ぐ自然災害に山積する問題は多く、生産者にとって『食の安全と安定の確保』は決して容易いことではありません。残念ながらその現状を理解している消費者は少ない気がします。

強い土壌を作ることから始まり、実を結び、私たちの口に届くまで気の遠くなるような時間と費用が費やされます。それでも野菜一つ売るのに手元に入るのは何百円の世界。生産者がどのような思いで農業を守り生きているのか、特に自然栽培を意識している農家さんの意識の高さには頭が上がらない思いです。

食の安全は野菜やお米だけではありません。牛・豚・魚、口に入るもの全て。熊本県菊池の「走る豚」は放牧でノンストレスで育った豚。特に近年豚コレラの問題が浮上しましたが、免疫力のある豚は豚はかかりにくいとされています。人間もある意味同じこと言えるのかも。
夏になったら楽しみなのが「かもめ農園」のニンニクと、そのニンニクを使用したバジル&ガーリックソース。パスタにもお肉にも色々と使えます。無添加で夏限定発売。オンラインでは、今年も渡辺商店の「きくち村」で購入可能かと思います。

消費者の私たちは、美味しいものをありがたく頂戴し、「食」への理解を深めていただきたい一方で、農家さんへの敬意とそれに対する対価、安全と豊かな食生活を守るためにも危機感を持って見直していただけたらと願うばかりです。

ちょっと長く真面目な話になりましたが、こういうご時世だからこそ立ち止まって考えるにはいい機会。普段の食生活を含め、少しでも気づきがあれば幸いです。

この話をするのがきっかけとなったのは、いつもご紹介している中目黒にある「ことこと」のオーナー佐藤ひろみさんとの会話でのこと。この日は宮崎県綾町の香月ワインとともに、ひろみさん お手製「走る豚」の薫製ハムをメインに美味しくも深い時間をいただきました。贅沢!