「会社を仲間と立ち上げた頃は私も30代前半で、自由な発想でお客様に提案して形にしていくのがとても楽しかったんです。一方で、会社組織として運営する中での難しさもあって。自分の担当領域で良い結果を出しても、不採算部門があることで結果的に会社が苦しくなるというケースもありました。40代になると、トップスピードで仕事をできるのってあと10年~15年くらいじゃないですか。子どもも成長してきて自分の時間が増える中で、次第に『本当に自分は何がしたいんだろう?』『どういう自分だったら一番ハッピーなんだろう?』と考えるようになっていったんです」
それでもなかなか会社を離れるイメージがわかなかったというさおりさん。一つの出会いが転機になりました。
「Warisに登録してその後フリーランスとして働いているという女性と、たまたまお会いする機会があったんです。仲良くなってお茶や食事をしながら話をしていたら『それなら会社を辞めて独立したらいいじゃない?』と言ってくれて。当時の私は離婚して『この子たちを自分の手で養わなきゃ』と気負っている部分もあって会社を離れる決断がなかなかできなかったのですが、『そういう手もあるのか!』と背中を押してもらいました」
その女性の紹介でWarisに登録し、キャリアカウンセラーと面談していくつか案件を見せてもらううちに「これならできるかも」と、具体的にイメージできるようになったというさおりさん。
その後、昨年1月に会社を辞め、フリーランスとして独立。今はこれまでの経験を活かしたWebマーケティングに関する仕事を、企業からプロジェクトとして請け負って仕事をしています。
「自営業ならではの社会保障面の不安はありますが、自分の強みを生かした仕事に集中できますし、時間の使い方も自由。ありがたいことに収入も特に減ることもなく、圧倒的にプラスのほうが多かったです」
今後は企業からの請け負い業務を少しずつ減らし、オリジナルのサービスやプロダクトを開発したいと考えているさおりさん。
「今、仕事と生活を一緒にしているパートナーがいて、一緒に社会の課題を解決するようなことをしたいと考えています。私自身、子育てをしたり生活をしたりするなかで社会の中で助けてもらったことがたくさんあるんです。個人では解決できない、糸口が見えないような課題を少しでも解決に近づける……、そんな一つの力になれたらうれしいです」
移住や独立など、人生の転機を自ら創り出してきたさおりさん。「自分はどうしたい?」と自分自身に問いかけ、そのときの直感にしたがって素直に行動に移す姿勢がとても印象的です。
「もしも少しでも現状を変えたい、何か新しいことを始めたいという方がいらっしゃったら、私のこれまでの経験から『挑戦は裏切らない』というメッセージをお伝えしたいです。チャレンジすることで、多少失うものがあったり、痛い思いをすることがあったとしても、何らかの教訓であったり、新たな出会いであったり、自分自身の中の新しい発見だったりがある。チャレンジによって、得るものが何もないということはあり得ない、と強く思うんです」
さおりさんの場合、キャリア初期の20代での転職や移住経験がご自身のゆるぎない価値観や自信につながっているのでしょう。「行動に移すのが苦手」という読者の方は、まずはスモールステップから。少しずつ小さなアクションを積み重ねることで、自信を身に着けていってはどうでしょうか。どんなに小さなことでもいい、明日から今すぐできることは何でしょう? まずはそこから、ゆっくり考えてみてはいかがでしょうか。
前回記事「【新型コロナ対策】今決まっている「フリーランス向け支援策」をすべて解説!」はこちら>>
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