米倉涼子さんが見た、最新のおすすめエンタメ情報をお届けします。
世界中で大ヒットした“アナ雪”の続編『アナと雪の女王２』を観終わった瞬間、「１」よりも好きな作品だなと思いました。ディズニーのアニメーションを観て、ここまで泣いたのは初めてのこと。
人は人のためにどこまでできるのか？ という深いメッセージが込められていて、子供よりもむしろ大人の女性のために作られたアニメーションかもしれません。
アレンデール王国の女王になったエルサと、妹のアナ。エルサにだけ聞こえてくる“不思議な歌声”を追いかけて、エルサとアナ、アナの恋人のクリストフ、トナカイのスヴェンと雪だるまのオラフが旅に出ます。
その旅で描かれるのは、なぜエルサに力が与えられたのか？という謎。姉妹の両親の死の謎についても描かれていきます。
この作品の大きなテーマは、愛と勇気と絆。目に入れても痛くない存在と表現される我が子への愛、自分を犠牲にしても大切にしたい恋人への愛……、愛情にもいろいろな形がありますよね。
もちろんこの作品の大きな要素を占めているのは、姉妹の愛。
でもこの「２」ではさらに踏み込んで、エルサの国や社会への愛と使命感も描かれているように思いました。“ありのまま”の自分を認められるようになったエルサが、もっと自分らしくいられる居場所を探したその先で、女王として大きな決断を下しています。
大切なものを守るために過ちと向き合って、離れ離れになる決断をするエルサの生き方に心を動かされました。
ミュージカル映画としての見どころもたくさんあって、松たか子さんの歌声が素晴らしかった。クリストフがプロポーズしようか悩むシーンはかわいかったし、アクションはさらにダイナミックに！ 映像も音楽も大満足できる作品です。
どんな愛情にも、それが本物なのかどうか試されるタイミングがありますよね。もしかして今は、私たちの社会への愛が試されるときなのかもしれません。
自分のためだけではなく、誰かのためにどれだけ思いやりを持って、我慢したり自分を制御したりできるのか。公開当時よりもさらに今、心の片隅においておきたいメッセージがたっぷり入っている作品に感じられました。
『アナと雪の女王２』
前作から3年後、アレンデール王国の女王となったエルサは、妹のアナ、そしてクリストフ、そしてオラフたちと幸せな日々を過ごしていた。だが、エルサにだけ聞こえる不思議な“歌声”に導かれ、姉妹は仲間とともに未知なる世界へ旅に出ることに。それは、なぜエルサに“魔法の力”が与えられたのか、すべての謎を解くための旅の始まりだった。
デジタル配信、DVD発売中
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© 2020 Disney
構成／片岡千晶（編集部）
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