夫より稼ぐ妻は、離婚を切り出しやすい?


女性が離婚の主導権を握っている背景には、夫が暴力をふるう、生活費をわたさないなど、家庭内で弱い立場に置かれやすいのは、夫よりも妻の方が多い、という苦しい実情もあるようです。

とはいえ、女性の社会進出が進み、25〜39歳の働き盛りの年齢層では夫に依存しない自立した経済力を擁する女性も少なくないはず。「妻の所得が夫の所得より高い」場合、離婚意識に何か変化は見られるのでしょうか。

 


稼ぐ妻に溜まりやすい“イライラ”とは


「これまでの日本であれば、夫の経済力への期待度が高い夫婦が圧倒的に多かったが、それが逆転した場合にはどういうことが起こるのか、予想は簡単である。男性側には経済的な優位があることによって自尊心は満たされていたので、妻に対して“俺についてこい”の意識でよかったし、経済的に劣位にあった妻も半分は不本意ながらそれに同意していたので、結婚生活はまがりなりにも続いた。
ところが妻に経済的な優位があると、離婚率が高まることは容易に想像できる。残念ながら数字でそれを見つけられなかったが、妻の所得が夫の所得より高い夫婦の離婚例は多い。離婚しても妻は経済的に自活できる自信があるので、というのである」

 

経済的ゆとりのある女性が離婚に踏み切る原因には、バリバリ働く「妻」だからこそ抱えてしまう家庭内のジレンマや、夫婦関係のひずみが見て取れるようです。

「妻の稼ぎが多いケースではどうしても妻が長時間の労働にコミットすることが多く、家事・育児に不慣れな夫の協力が少なく、妻のイライラが高くなって離婚に至るケースが多くなることである。“日本男子、厨房に入らず”の伝統がまだ残っている社会においては、どうしても夫が家事・育児に非協力となるので、妻としては我慢ができなくなるのである」

人生100年時代の中、長い距離を伴走する夫婦という共同体。共働き世帯が多い現代日本においては、結婚後なるべく早い段階で強固な協力体制を作ることが、離婚の火種を生まないために大切なことなのかもしれません。