ひと休みは、自分を“ゆるす”大事な時間 

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ミモレ創刊5周年、おめでとうございます。

なんだかあっという間ですね。5年、いや、それ以前から、私は常に走り続けているタイプで、ゆっくり自分を振り返ることもなく。手帳がぎっしり埋まっていることが幸せだったし、満たされていると思っていました。それが、コロナ禍による自粛生活によって、ペースダウンをよぎなくされ、自分と向き合う時間が倍増。最初は多少の不安はあったものの、生活のなかにぽっかりと余白ができる幸せに開眼。何十年ぶりかで噛みしめる“自由でわくわくする時間”に、強ばっていたカラダがゆるゆるとほどけていくのがわかるように。これって、じつは初めてのことくらい衝撃的なことで。じつは、“ゆるむ”という言葉の語源が“ゆるす”なのですが、やっと自分のことをゆるせるようになったのかな、と、じんわり。

そして、空いた時間になにをするようになったのかと言えば、本を読んだり、映画をみたりはもちろんですが、私はなんと、ガーデニング(というほどでたいそうなものではないのですが)。土に触れ、植物を愛でることに没頭! 普段なら海や山、旅など、アクティブに過ごすところですが、そうはいかず。私を夢中にさせたのは、土や植物の生きたエネルギー。手を洗うたび、人との距離を保ち、密なコミュニケーションを避けるたびに、どうしても大地や木々に触れたくなるんです。爪を短く整えたのも、土を直に感じたいという思いから。

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美容のトレンドでクリーンビューティが台頭しているというお話をさせていただいたことがありますが、私にとってのクリーンビューティは、自然の恵みそのものを五感で感じることだったのかな、と。土や植物を愛しむ時間が、自分の本流へ還る時間となり、不思議と心が穏やかに整っていくのですから。振り返ってみれば、仕事に追われ、疲れたカラダや心を癒やしてくれたのは、いつも天然のソルトや精油など大自然の恵み。きっと、自由な時間が生まれ、地球というとてつもなく大きな懐にぎゅっと抱かれたくなったのでしょう。思いがけず舞い降りた自粛という名のひと休みに、そんなことを思う日々。

ミモレ創刊5周年にふさわしいメッセージなのかはわかりませんが、がむしゃらに走り続ける婦人たちへ。人は自然に還ると心もカラダも思考さえ優しくゆるむ、つまりは自分自身をゆるせるようになるということ、お伝えできれば。
 


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