人生の午後を楽しみましょう

 

mi-mollet5周年、本当におめでとうございます!
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いま、世界は大変なとき。歴史的にも大きなターニングポイントに来ているのは確かです。いま、人類の経済活動の拡大に、意図的に「小休止」をかけています。これは18世紀の産業革命以降、いえ、それどころか紀元前1万年の農耕革命以来、初めてのことではないでしょうか。。大きな犠牲を払いながらではありますが、これは人類史にとっての大きな実験でもあると思うのです。今回の悲劇の中で唯一の「よいこと」は自然環境の劇的な回復。大気汚染が急激に改善され、また出歩くことは少なくなったとしてもベランダから見る星が以前よりぐっと明るくなったとみなさんも感じておられるのではないでしょうか。そしてStay Homeの中で自分自身を振り返る時間も増えたのではありませんか。
いま、拡大、上昇、進歩を金科玉条としてきた人類が初めて歩みを緩めようとしています。

これはとてもスケールの大きなことではありますが、実はひとりひとりの人生の中にもそんな「歩みを緩める」ターニングポイントがあるのだと、心理学者のユングは言っています。ユングは人生を一日の太陽の動きに例えています。

人生の前半はちょうど午前中のようなもの。東の地平線から昇ったばかりの清々しい朝日は、ぐんぐんと昇りながらその光を強く、たくましくしていきます。赤ちゃんが少年少女、青年へ、そして大人へと見違えるような成長をしていくようなものです。外へ、上へ。眩しいまでの勢いがそこにあります。

けれど、正午を過ぎた太陽はゆっくりと西へと傾いていきます。これと同じように中年期からは「人生の午後」だとユングは言うのです。そして人生の午後には、若いころとはことなる課題がある、と。

「青年期にある人間にとって内側を見つめてばかりいることはほとんど罪」だとさえユングは言います。けれど、同じ調子で人生の午後に向き合おうとすることは大変危険だしもったいないのだ、と。(僕は占星術家として、ユングが人生を天体の動きに例えたことに感動してるんです。)

ではその課題とは何なのでしょう。ユングは徹底した「個人」主義者でした。ひとりひとりはかけがえなのない、個別な存在だと。だから人生の課題は一人一人で異なるはず、あなたにはあなただけの課題がある、とユングなら言うでしょうね。
それを見つけるためには一時、忙しく動かしてきた手をちょっと止めて、一人になって、自分自身の内面というhomeに一時、stayすることが必要なのです。

今、世界がStay Homeしています。不幸中の幸いであると思うのですが、この原稿を書いている時点では、日本は欧米ほどの被害を出すことなく、感染拡大を抑えているようにも見えます。
けれど、まだまだ油断はできません。僕たちはなかば強制的にStayせよとメッセージを受けています。

それは僕たちミモレ世代には特別な響きをもっているように感じます。人生の午後のひととき。Stayして。そして自分の本当の居場所やありよう、Homeを見つけて。
それもまた悪いことばかりではありません。
午後のお茶のひと時は、人生の午前中のダッシュやフルマラソンとは別な贅沢と楽しみがあるに違いないのですから。
 


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