自由に生きるための、小さな魔法
mi-mollet5周年、おめでとうございます!
楽しく占いを書かせていただきつつ、垢抜けテクを参考にし、おすすめ便利グッズをついポチり、雅子さまの美しさに「ハァ……♡」とため息をついてまいりました。そしてロゴの下にある、「明日の私へ、小さな一歩!」の言葉には、何度救われてきたことでしょう。「小さな」というのが私のお気に入りです。つい「大きないいこと」を望みたくなる毎日のなか、一歩にせよ一食にせよ、一つの小さな選択にせよ、「小さなこと」なくしては大きなことも起こり得ない。そんなことを思い出させてくれるからです。
こうした小さな選択の重要性というのは、ご存知の通り古今東西で語られています。たとえば私が好きなのは、医師の鎌田實が書かれた『1%の力』という本のこの言葉。
「1%には人生を変える力がある。絶望の中にいる時はとにかくゼロから1%何かを変えると、希望が見えてくるのです」
(鎌田實『1%の力』河出書房新社)
アメリカの思想家であるラルフ・ウォルドー・エマソンが『自己信頼』のなかで書いているこの言葉には、茫漠とした不安を感じたときに前を向かせてくれる力がありました。
「どんなに立派な船も、無数の方向転換をくりかえしながら進んでいく。蛇行しているように見えても、ある程度の距離から眺めれば、実はひとつの方向に向かって、まっすぐに進んでいることがわかる。それと同じように、もし誠実に行動するなら、それがその行為はもちろん、あなたが行うすべての誠実な行為を説明してくれるだろう」
(ラルフ・ウォルドー・エマソン『自己信頼』)
いまできる、小さな一歩を踏み出すこと。それは地味でつまらないことに見えるかもしれません。四の五の言わず一瞬でゴールに行きたい。いやむしろ、魔法でここをゴールにしちゃえばいいじゃん。なんて思うものです。ただ、仮にそうなったとしても、自分が見合う成長をしていなければ、幸運は一瞬で飛び去ってしまいます。一歩が踏み出せなければ、遠いゴールになんてたどりつけないし、喜びも“これから”もない。なんとも夢のない話のようですが、そこに意味があるんですね。
たとえ今は、疲れてうずくまっていたとしてもいいんです。でも、ちょっと元気を取り戻しさえすれば、自分は一歩踏み出せる力があると信じることが大事です。「たとえ1ミリでも一歩は一歩」と、限りなくハードルを下げてみるのも役に立ちます。希望に満ちた言葉が辛く感じるほど打ちひしがれたときも、そうした信念が自分を自由にするものと私は考えています。
人はどんな環境にいても悩みます。愛を感じられないことに悩む人が愛を手に入れると、今度は「この愛もいつか失われるのか」と悩みます。好きなことを仕事にできたらどんなにいいだろう、と思っていたのに、仕事になってみると好きだからこその悩みを感じるものです。人生でふと気づいたら袋小路に迷い込んでしまったようなとき、「自由になりたい。今感じているしがらみを全部捨てて解き放たれたい」と思うのですが、おそらくは全部捨てたら生計を立てていく不安とか、積み上げたものを捨てた後悔とか、誰かへの心のこりばかりが心を占めていくのでしょう。自由になろうとしたはずが、さらにとらわれていくんです。
mi-mollet世代のひとりとして感じるのは、年齢を重ねるごとにしがらみは増えていくのですよね。でも私は、今が人生で一番自由なのかなとも思います。しがらみを簡単にポイ捨てしても、どうにかなるものではないと知っているから。すべてが魔法のように一気に解決することなんてない、とわかっているから。そして、「ちょっとずつやっていくしかないな」と、次につなげていくしなやかな心も、養われているからです。どうにもできないとか、誰かが悪いとか、そんなふうに思って自分を鎖で縛りつけたりはせずにいられる。それは、若い頃からどんなときも頑張って生きてきた、自分のおかげなんですね。
「小さな一歩」は、自分を自由にする魔法です。そして、その魔法をかけられるのは自分だけ。だから今日も、明日の私へ、小さな一歩を。
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