おいしいの価値観が広がった15年


「“おいしい”という価値観に広がりを感じます。舌で感じるおいしい、食べておいしいという感覚に加え、誰とどこで食べたかといったシチュエーションや見た目という、視覚の影響がすごく大きくなってきています。クックパッドの人気レシピを見ても、思わずクリックせずにはいられない素敵な写真が多くて、プレゼンテーション上手な方が増えたなと感じています」

社長室で子どもの寝かしつけ…私が専業主婦からクックパッドの役員になった理由_img0
「マグロだけでなく、アボカドはお米と合わせるとこんなにおしゃれに変身します。キュウリも輪切りではなく、四角に切る。いつもと切り方を変えるだけで“ばえる”。見た目は食欲にも大きく影響するんです」


多用な食材を組み合わせていくと結果的に栄養も整ってくる、という話を栄養士さんから聞いたことがありますから、見た目を大事にすることは、栄養バランスにおいても重要でしょう。
さらに、これからは環境に配慮した食材を使ったものや、作り手の思いを感じられるようなストーリーの影響も、おいしいの価値観に作用していきそうです」

 


最後に、慌ただしい平日に上手に献立を回すコツをお聞きしました。

「私の場合、献立は一週間ベースで考えることが多いですね。帰ってきて30分しかない日は水曜日だからここはたらこパスタ、だったら前日はお肉で、みたいな感じで一週間の献立をまとめて考えちゃいます。
今はちょっと難しくなってしまいましたが、忙しい日はきっぱり『おいしいレストランに行く!』と決めて外食にし、それを自分の料理に活かすようにしています。おいしいお料理のコツをシェフに聞いたりすると、本当に料理の腕が上がりますよ。
自分の食べたいものを、食べたいときに、おいしく食べたい。
きっと、食べることへの執着心が人一倍強いんです(笑)。だからこそ、時間がないなかでも自分がおいしく、テンションが上がるような料理を自分で作りたいなといつも思っているんです」

社長室で子どもの寝かしつけ…私が専業主婦からクックパッドの役員になった理由_img1

『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』
著者:小竹貴子 日経BP社 1650円(税別)

家族のためではなく、自分のための料理をーー。日本一クックパッドのレシピを見てきた小竹さんが教える、読むと料理が得意になるTipsが詰まった一冊。調味料はすべて大さじ1で、汎用性の高いレシピの数々に驚くはず!


構成/小泉なつみ

 

第1回「「クックパッド」の“中の人”が明かす「バズるレシピ」の共通点」はこちら>>