新型コロナウイルスに終息宣言が出されることはおそらくない!


高橋:ワクチンの誕生に期待したいですね。では、いつかは新型コロナウイルスも終息するのでしょうか?エボラ出血熱という感染症は、WHO(世界保健機関)が終息宣言を出しましたよね。あんな風に、終息宣言が出されることはありますか?

山田先生:新型コロナウイルスの終息は、まぁないでしょうね。極めて難しいと思います!

高橋:え〜!ショック!

山田先生:これだけ世界中でウイルスが蔓延してしまったら、難しいでしょう。たとえば、人の動きを封じ込んで、日本が完全に鎖国すれば、日本での終息宣言が出る可能性はありますが、人が国内国外を移動し続ける以上は、感染は広がってしまいます。今後、日本でもし感染者がいなくなったとしても、感染者のいる国の人が日本に足を運べば、またあっという間に感染を広げてしまいます。

高橋:なるほど。なかなか厄介ですね。

山田先生:唯一終息がありえるとしたら……。本当に有効なワクチンができて、そのワクチンが世界中のほとんどの人に接種されるような、理想的な環境が整えば終息する可能性はあります。
ですが、必ず「ワクチン忌避」、つまりワクチンを絶対に打ちたくないという人もいるので、集団免疫をワクチンで獲得するのは現実的な目標ではないと思います。

高橋:新型コロナウイルスとは一生付き合っていかなければならないんですね……。

山田先生:そうですね。“仲良く一緒に生きていく”のが現実だと思います。今回の新型コロナウイルスって賢いんです。ウイルスって人の細胞の中でしか増殖できないのですが、2003年に流行したSARS(サーズ)は、感染者をどんどん殺してしまった結果、ウイルスが繁殖する場所がなくなり、終息となりました。一方今回の新型コロナウイルスがちょっと賢いという理由は、2%くらいの人は殺してしまうのですが、残りの98%はちゃんと生かすんですよ。だから、簡単に終息とはなりません。


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コロナ終息前に旅行してもいい国、行かない方がいい国の見極め方


高橋:なるほど。だからここまで拡大してしまっているんですね。
今すぐにというわけにはいかないと思いますが、これから少しずつ海外旅行に行けるようになったときに、「もう行ってもいい国、まだ行かないほうがいい国」はどうやって見極めればいいでしょうか。

山田先生:現状では行ってもいい悪いは、基本的には外務省の入国規制によると思います。それ以外だと、その国に感染者がどれくらいいるかを参考にするのがよいと思います。感染者が3万人いる国と、30人の国では感染するリスクが違いますから。
ですが、じゃあ感染者が何人までだったら大丈夫かというのは、個人の価値観になると思います。冒頭でお伝えしたように、旅行の価値が自分にとってどれくらい高いか低いかによって、その人数の線引きは変わってきますよね。

高橋:ニュースなどで「再生産数」が1以下になった、など医療的な数字の目安の話を聞くこともあるのですが、これは旅行をしてもいいかどうかの基準になりますか?

山田先生:それはあまり関係ないと思います。「再生産数」とは、ひとりの感染者が治癒するまでの間に平均何人の人に感染させるか、という数字。つまり、「再生産数」が下がると、今は3000人いる感染者がこの後2500人になりそうだということはわかります。 ですが、「再生産数」が0.8でも、今の感染者が1万人いる国なら……1万人の感染者に出会う可能性があるので、感染率は高くなってしまいますよね。一方、今感染者が2人しかいなくて、「再生産数」は2.5の国だったとしたら……「再生産数」は高いけれど、感染者に出会う確率は極めて低い。
ですので、「再生産数」は旅行のリスクを評価するものではありません。リスク評価は、あくまでも現状の感染者数。それに加えて、感染者数増減のカーブがどうなっているかを見極めること。感染者数が上昇のカーブを描いていたら、リスクは高くなります。


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