ハーブを育てる場合は、種で蒔くもの、挿し木、株分けできるものがあります。種で蒔いて育てるハーブの場合、ハーブの種はとても小さいので、あまり地中深く埋めないようにしましょう。蒔きどきは種の袋に指示されていますが、私の経験では、春か秋に蒔くとされる種の場合、秋のほうが生長がよく、すっかり秋蒔きに徹しています。

鎌倉稲村ヶ崎にある北村光世さん自邸のお庭。初夏のハーブガーデンには、ジャーマンカモミール、ディル、セージの花々が。

ルコラやバジルなどは、手もかからずに生長も早いので、種から育てたほうが断然経済的。料理にもふんだんに使えます。まず、種は半分に折った紙などにのせ、土の表面に重ならないように、間隔をあけて多めに蒔き、種が隠れる程度に薄く用土をかけておきます。ルコラは、2〜3週間で発芽し、2〜3か月すると収穫可能。真冬や真夏を除いて2〜3週間おきに種蒔きすれば、一年中新鮮な葉が摘めてサラダに大活躍。寒い時期、生長はゆっくりですが、春になると元気によく育ちます。バジルは23度以上で発芽します。ですから4〜5月頃、暖かくなってから種を蒔くとよいでしょう。

 

<春蒔きも秋蒔きもOKのハーブ>
ルコラ
春蒔きは3月中旬頃から。収穫できるまでの時間を考えながら、少しずつ種蒔きをして足していくと長く楽しめる。真夏を除けば秋蒔きも大丈夫。むしろ冬に葉が摘めて、おすすめ。

<秋蒔きのハーブ>
カモミール
耐寒性のあるハーブなので、秋蒔きのほうが育てやすい。乾燥させてハーブティーやポプリ、入浴時に。

マーシュ
柔らかいサラダハーブ。春先、小さな株状のときに収穫する。サラダハーブではクレソンやマスタードグリーンも秋蒔き。

イタリアンパセリ
毎年秋に種蒔きをすると春に大きく繁る。春に蒔くと、虫に食われやすい。普通のパセリよりも苦みが少なく、使いやすい。イタリア料理には頻繁に使う。

コリアンダー(香菜)
種蒔きは9月から10月頃。何回かに分けて蒔くと、冬の前に葉が収穫できるものもある。冬を越したものは春に大きく伸びて5、6月に種をつける。花が咲くと葉が傷み始めるので、葉を食用にするなら花が咲く前に。