名プロデューサーJ.Y.Park氏の存在


そして番組に一貫して流れる健全さの根底にはプロデューサーJ.Y.Park氏の存在があります。J.Y.Park氏は韓国三大芸能事務所のひとつJYPエンターテインメントの創業者で、TWICEや2PMなど数々のアーティストを世に送り出してきた名プロデューサー。また自身も90年代から現在に至るまで活躍し続けるトップアーティストでK-POP界の重鎮です。その彼がプロの歌手としての心得、長く活躍するために必要なことを自ら番組内でアツく語ります。その言葉はアイドルを目指すNiziProjectのメンバーはもちろんですが、見守る視聴者にも気づきを与えてくれます。あげればキリがないほど名言の連続でしたが、その中から特に胸を打ったものを紹介したいと思います。

 

「才能がある人が夢を叶えられるのではありません。自分自身に毎日鞭を打って、自分自身と戦って勝てる人が夢を叶えられます」

歌がうまいだけでも、ダンスがうまいだけでも、容姿が綺麗なだけでもダメで、足りないところを日々地道に磨き、完璧を目指し続ける姿勢を徹底的に叩き込まれます。語学や体型管理も含めて、プロでい続けるための覚悟を問われるのです。彼が言葉を投げかけるごとに練習生の顔がますます引き締まっていきます。

「自分のためではなく見てくれる人のために踊るべきです」

元々ダンスが上手だけど自分の世界に入って踊りがちな練習生にかけた言葉。見る人と視線を合わせ、心を通わせることの大切さを説きます。エンターテイナーとしての基本を改めて理解し、パフォーマンス中の笑顔やアピールが格段に良くなっていく様は、多くの人の心を掴んだはずです。

「真実、誠実、謙虚」

この3つはJYPエンターテインメントの掲げる基本の価値観だそうです。カメラの前でできないことはカメラがないところでもしないこと。毎日するべきことをきちんとすること。人のいいところを見て心から感謝すること。もはやJ.Y.Park氏が牧師さんに見えてきました……。デビュー前の、しかも10代という多感な時期に、当たり前のことながらとても大切なことをきちんと言ってもらえるのは貴重なこと。皆が真剣に聞き入っているところも印象的でした。

「一人一人が特別じゃなかったら生まれてこなかったはずです」

オーディションでピリピリしていた練習生たちにかけたのがこの言葉。オーデョションに通っても通らなくても、それぞれが輝かしく特別な存在だということを真摯に伝えると、思い詰めた表情だった練習生たちが号泣。自信をなくしかけていた子も前向きな表情に切り替わる様子はとても感動的で、見ているこちらまで泣けました。


しかもJ.Y.Park氏は今回のNizi Projectのために日本語を猛勉強し、これらの言葉をできるかぎり日本語で練習生たちの目を見ながら語っていました。またミッション発表前の皆が緊張する場面では笑顔で話しかけ、それぞれが実力を発揮できるようにあたたかく見守ります。そんなところからも彼がプロジェクトと真摯に向き合い、親心と愛にあふれた人物だということがうかがえます。Nizi Projectにおいて、彼の人間性も見どころのひとつになっていたのです(個人的には練習生たちの素晴らしいパフォーマンスに出会ったときの目がキラキラしたうっとり顔もツボでした笑)。