ヘアライターさとゆみ(佐藤友美)がチェックする、ニュースな女性たちのヘア&メイク。今週は、日本を代表するオールジャンル女優となった、長澤まさみさんのヘア遍歴をチェックします!

 

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長澤まさみさんのターニングポイントは?


ヘアライターのさとゆみです。

みなさん、突然ですが、長澤まさみさんは、お好きですか?
私、正直、若かりし時代の長澤さんはそれほど気になる存在ではなかったんですよ。あー、また、えらい可愛い女の子がひとり出てきたなーという感じで。
でも、いつからか、長澤さんの演技にものすごくドキドキするようになった。

清純派からエロスまで。コメディから武闘派まで。
とくに、前回ご紹介した『コンフィデンスマンJP』の詐欺師役は本当にはっちゃけていて、この役をいま日本でやれる女優さんは、長澤さんだけだろうな、と思ったりします。

若干ヘアライターのポジショントークっぽいですが、私は、そんな彼女のターングポイントは、ショートヘアへのチェンジにあったんじゃないかと思っています。
今回は、10代から現在にいたるまでの長澤さんのヘア変遷を駆け足で追いかけます。


正統派美少女の宿命を背負ったデビューヘア


デビュー間もない長澤さんを一躍有名にしたのは、『世界の中心で愛をさけぶ』(2004年)の白血病の主人公役だったと思うのだけれど、これがもう、透き通るような白さでね。ほぼすっぴんの彼女を印象付けていたのが、しゃぎしゃぎの軽いストレートヘアでした。

バイクの後ろでなびく髪、病に倒れるときに乱れる髪、そして指を通すと抜けていく髪。
色の無い白い肌とは対照的に、生命力の象徴のように描かれていた軽やかな髪が、最後には全て抜け落ちていったあたり、若さと美しさが消えていく儚さを感じたなあ。

この時代、長澤まさみさんは「清純派美少女」の刻印を、自他共に意識して生きてらしたと思う。
当時、長澤さんと共演した明石家さんまさんが、「まさみちゃんはとにかく清楚で。可愛い可愛い可愛い」をあちこちで連発していて、もうこれ営業妨害じゃないかってくらい、男のロマンであるところの清純派を背負わされていた。

 

話題作となった『ラストフレンズ 』(2008年)でも、やはり同様で。
このドラマで性同一障害の役を演じ、演技派女優として絶賛された上野樹里さんのかたわら、長澤さんの役どころはDV男に振り回され怯え続ける「The守ってあげたい女子」だったのね。

今の長澤さんだったら、上野さんが演じたナイト役のほうがむしろハマるかもしれない。でも、当時は誰もが、舌足らずで優柔不断で脆い彼女を、ちょっとイラっとしながら「ああ、長澤さんっぽい」と思ったんだ。か弱くて、守ってあげたくて、男好きする女。
今、考えると、このあたりまでは長澤さんにとっても、苦難の時期だったのではないかと思う。
 

『モテキ』の少年風ショートでキャラチェンジに成功


そんな周囲の清純派推し(あるいは清純派押しつけ)を綺麗に裏切り、一気に別ステージにジャンプしたのが、『モテキ』(2011年)だった。
今回この記事を書く前に「長澤さんの出演作で何が一番好き?」といろんな人に聞いたのだけれど、男性も女性も、この『モテキ』をあげる人が多かった。

 
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