ヘアライターさとゆみ(佐藤友美)がチェックする、ニュースな女性たちのヘア&メイク。
今回はいつもと趣向を変えて、女性政治家の髪型に迫ります。なぜ、女性の政治家にはショートヘアが多いのか。
日本の女性大臣、92パーセントはショートヘア
ヘアライターのさとゆみです。
趣味は、歴代女性閣僚の髪型の写真を集めることです。
と、いきなりヤバイ人みたいですが、ついにスタートしましたね。菅内閣。女性の大臣は橋本聖子東京オリパラ大臣と、上川陽子法務大臣の2人だけ。
これで「どこが女性活用だ!」みたいな話になっていますが、私が気になるのはそれだけではありません。やっぱり髪型も気になるわけです。
粛々と過去の女性閣僚の髪型コレクションをしていてわかったのですが、戦後、日本の女性の大臣って、たったの41人しかいないんですよ。すごくないですか。学校なら、1クラスですんじゃうレベル。
そして、これは声を大にしていいたいのだけれど、そのうち38人、つまり92パーセントの女性大臣は、入閣時、ショートヘアだったんですよ!!
どうですか。この偏り具合。なぜ、そうなるのか。ここでちょっと解説しますね。
女性閣僚がショートヘアを選ぶ理由
菅内閣で就任した橋本大臣、川上大臣もそうなのですが、過去を振り返ると、小池百合子大臣、蓮舫大臣、小渕優子大臣、野田聖子大臣、高市早苗大臣……と、見事なまでの、ショートヘアそろいぶみ。
もちろん、歴代女性閣僚の中には、任命されたときにだいぶ年配で、髪質的にもロングヘアが選びにくかった方もいたと思います。
でも、でもですね! 30代、40代で任命された人も結構いるわけですよ。それでもやっぱりみんな、ショートヘアなわけです。あきらかに、世の中の女性の髪の長さの比率とは、異なっているわけです。
これはやはり、女性大臣たちが、「好んでショートヘアを選んでいる」といえる証拠でしょう。
以前、小池百合子現都知事と、同じテレビ番組に出させていただいたことがあります。そのとき「なぜずっとショートヘアなのですか?」と聞いたところ、「髪を洗う時間と乾かす時間が短くてすむから」という答えをいただきました。
たしかに、そういった実用的な側面もあると思います。
でも、女性の政治家がショートヘアを選んでいる理由は、それだけではない、と私は思っています。
ショートヘアにすることは、彼女たちにとって、何らかのメリットがある。
だからこそ、みんなこぞってショートヘアを選んでいるのだと思うのです。
髪にはそれぞれ「キャラ」がある
ここで、髪型が持つキャラクター設定について考えてみます。
長い歴史の中で、髪型にはそれぞれ、文化人類学的なキャラクターづけがされてきました。さらさらのストレートロングと、ツンツンのベリーショートでは、第一印象でずいぶん違う印象を持たれるはずです。これは、髪型に「キャラ設定」があるからです。
それでいうと、ショートヘアには、元気な印象、ボーイッシュな印象、アクティブな印象……といったキャラ設定があります。ショートヘアを選ぶと、活動的な雰囲気に見えやすくなるのです。
おそらく、歴代の女性大臣たちが狙ったのもココ。
ザ・男性社会である日本の政治の世界で、女であってもへこたれない、男性と対等にわたりあえる強いリーダーシップをアピールできる。有権者にも安心をしてもらえる。そんな髪型の象徴として、ショートヘアが選ばれているのだと感じます。
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