「私ってどうやって生まれたの?」

ふと子どもの口から飛び出した素朴な疑問に凍りついてしまったことはないでしょうか。
まともに性教育を受けてこなかった親は右往左往してしまい、「こっ、こ、コウノトリが運んできたの!!」と、使い古されたファンタジーを口走ってしまいがちです。

「日本の性教育はかなり遅れている」
そう語るのは、高校の保健体育科の教諭として25年間、その後大学で25年間、性教育に携わってきた村瀬幸浩さんです。

 

イラストレーターのフクチマミさんが村瀬さんの講演に胸を打たれたことがきっかけとなって生まれた『おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方』では、子どもだけでなく、我々大人こそ性教育を学び直す重要性が各所で説かれていました。

 

きちんとした性教育を受けないままポルノやAVといった「性産業」の文脈に触れてしまうと、それが子どもにとっての性の教科書となってしまい、トラブルに巻き込まれる可能性もあると言います。

 

たとえば男性向けのAVで、嫌がる女性に無理やり性行為を行うようなシーンがありますが、それはあくまでも“フィクション”。分別ある大人が“ファンタジー”であることを理解した上で見るものであり、現実と非現実の区別がつかない子どもがいきなりポルノから性の知識をつけてしまっては、「セックス=嫌がる女性に無理強いしてもOKな行為」と、意味を履き違えてしまう恐れがあると村瀬さんは警鐘を鳴らします。

歪んだ性の知識によって子どもたちが将来、性の加害者・被害者になってしまったら……。考えるだけでゾッとします。
そういった性トラブルから子どもを守るために、早期の性教育が必要。でも親は何から、どうやってはじめればいいのでしょうか……?

 
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