知人から聞いてからというもの、「いつか必ず食べたい!」と恋焦がれていたアイスクリーム。そう、それは青山椒のアイスクリーム。以前、ブログでも書かせていただいたのですが、私、山椒LOVERなのです。

光庵でのウットリした余韻を引きずったまま、進路を二条城方面に。

2.青山椒のアイス 唐辛子ジャム添え

そのお店の名前は、大鵬。住宅地にありながらも、ひっきりなしにお客さんが訪れる超人気店です。フカヒレやツバメの巣などの高級食材を扱う中華屋さんでも、いわゆる豪快、かつワンパクな味付けの町の中華屋さんとも一線を画し、繊細で滋味深い(そもそも四川料理店なので、辛いメニューは山椒がきいていますが、辛さの中にも温かみと深みがある味わいです)メニューがラインアップする(少々語弊はあるかもしれませんが)大衆中華屋さんです。

日曜日のランチどき。既に2組が待たれておりましたが、回転がよかったために、15分ほど待っただけで入店できました。
data●『大鵬』京都府京都市中京区西ノ京星池町38-27 tel.075-822-5598

熟考の末、ランチのお粥セットをいただきました(このほかに前菜の盛り合わせ、特製肉まんがついて¥1300)。ランチメニューのコストパフォーマンスは素晴らしく、なるほど地元の方々の列が途絶えないわけだと深く納得。

ピータンや湯葉などが入ったお粥。雨にシトシト濡れて冷えてしまった身体をいたわってくれるような、まろやかな出汁が五臓六腑にしみました!
せっかくですので、一品料理のよだれ鶏と卵とトマトの炒め物、麻婆豆腐もオーダー(あ、友人も一緒なので一人で食べたわけではないですよ!)。

そして、食事のラストを飾るのは、旅の目的としていた山椒のアイスクリーム! 

正式名称は『三椒冰激凌』〜四川省特産 青山椒を使ったアイスクリーム 唐辛子のジャムと黒胡椒の香り〜

清涼感のある山椒の刺激が最大限生かされているのに、それが全然嫌みじゃない! 単品では700円。ランチでのオプションは+200円。他にも、紹興酒キャラメルアイス、ゴーヤゼリー レモンソース、ヨーグルトアイス〜なつめソースなど、興味深いデザートがエントリー。

山椒&唐辛子……それぞれがほのかに感じる程度ではなく、しっかりピリリッと主張するほどに辛いのです。でも、(さっぱりとはしているものの)きっちり甘く、立派にスウィーツ! この清涼感とさわやかな甘みの絶妙さは、中華の締めにいただくデザートとして、(私があと何年生きるのかは分かりませんが)私にとってのベストだと断言してしまいます。

遅めのランチを食べ終え、京都で果たしたかった2つの欲望を満たしたことで、「これ以上の幸せって何なんだろう」と大袈裟なまでの充実感を味うことができました。

旅を重ねる度に、あれもこれもをこなすことを放棄し、どんどん目的をシンプル化しているな、と。そうするだけで、旅の濃度が俄然アップするものなのだ、と……人生では未だ惑うことばかりですが、旅においての自分はしっかりと「不惑」になっていることを確信した編集部・大森なのでした。

次は、京都でカームダウン編