ヘアライターさとゆみ(佐藤友美)がチェックする、ニュースな女性たちのヘア&メイク。前回に引き続き、今日は女性政治家の髪型に迫ります。日本と海外の女性政治家の髪型の違い、女性登用状況との相関性を考えてみました。
19人中12人が女性のフィンランド内閣では、髪型もバリエーション豊か
ヘアライターのさとゆみです。
前回は、日本の女性閣僚は9割以上ショートヘアであるという話をさせていただきました。
世界的にみても、超男性社会である日本の政界では、女性閣僚は「男性と対等にわたりあえること」が重視されたのでしょう。だからこそ、活発な印象や強いリーダーシップをイメージさせるショートヘアが選ばれてきたのではないか、という話をしました。
それでは、海外の女性政治家はどうでしょうか?
菅内閣の写真が出回ったとき、比較写真として、SNSなどで話題になっていたのがフィンランドの内閣です。フィンランドの内閣は、マリン首相を筆頭に、19人の大臣のうち、12人が女性です。これら女性の閣僚の髪型を見ると、ロングありミディアムあり、ボブあり、ショートありと、バラエティに富んでいます。
いえ、バラエティに富んでいるというよりは、世の中の女性の髪型のバリエーションが、そのまま表出しているだけ、といったほうがいいでしょうか。
つまり、言い換えると
「ことさら、政治のために髪型を意識する必要がない。ありのままの自分で、受け入れられている」ということの、裏返しとも言えるかもしれません。
女性の政治家が特別な存在でないからこそ、「女性であること(を強調する/を感じさせない)」ことよりも、「本人の個性」を表現するほうが重要視されているのではないか。彼女たちのヘアスタイルを見て、私はそう考えます。
世界各国の女性リーダーの髪型は世代によって違う?
コロナ禍では、世界の女性リーダーたちの手腕が評価されました。
台湾の蔡英文総統やドイツのメルケル首相、そしてニュージーランドのアーダーン首相などは、日本のニュースでもおなじみになりました。
こう見ると、台湾の蔡総統やメルケル首相は、それぞれ60代。マリン首相は34歳、アーダーン首相は40歳。世代に違いがあります。
前者は、女性の政治家がまだ珍しかった世代の女性リーダー。
後者は、女性活躍がめざましくなってきた世代の女性首相。
前者の女性リーダーたちは、男性と「闘い」その地位を「勝ち取って」きた世代です。「女性であること」を、意識しながら、時にその気配を出したり消したりして、男性とわたりあい生きてきた世代と言えるでしょう。
それに比べ、後者の世代(そして国)のリーダーたちは既に「女性だから」とか「女性じゃないから」といった概念そのものから解き放たれて、自由に髪型(だけではなく、自分の見た目)を選べるようになっているのかもしれない。
そんなことを考えました。
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