介護、職場でのストレス……環境要因は影響大

【更年期】閉経前後5年間が目安。症状が出る人・出ない人の差は?_img0
 

特に影響が大きいのは、環境要因。親の介護でストレスが大きくなったり、寝不足が続いたり、あるいは職場でのセクハラやパワハラ、家族との関係の悪化などが引き金となり、急に症状が出てくることは少なくありません。
逆に、嫌な職場から解放されただけで症状が急に改善された、というのもよくある話。更年期を過ぎてから「あぁ、あれが不調の引き金になっていたんだ」と気がつく人も多いのです。 

 


Q. ホットフラッシュの原因は?


A. 女性ホルモンの低下によって自律神経が乱れ、体温調整がうまくいかないことが原因 

更年期不調で特に多いホットフラッシュやのぼせは、自律神経が乱れることが直接の原因です。自律神経は、血管を収縮・拡張させて体温を調節する働きも担っているからです。
活動時や日中に活発になる「交感神経」と、安静時や夜に活発になる「副交感神経」、ふたつがシーソーのようにバランスよく働いているのが自律神経の健全な状態ですが、このバランスが崩れるとトラブル発生。快適なはずの気温でも暑いと感じ、「熱を放出せよ」と指令が下ります。すると、急にほてりやのぼせが起きたり汗が噴き出したり……。のぼせと冷えを繰り返す「冷えのぼせ」が起きている人も。 


Q. ホットフラッシュの対処法は?


A. マイナス感情に引きずられないで。周囲にカミングアウトしたほうが気がラクになることも

不快さのあまり症状のことばかり気にしていると、生活全部が負の感情に支配されがち。命にかかわる病気ではなく、一時的なものだと考えて、気持ちを前向きにできるといいですね。
外出先でホットフラッシュが起きるかも、汗がいっぱい出て恥ずかしいかも……という心配は、逆に症状が出る引き金に。準備を整えて余裕をもち、「大丈夫♪」と心に余裕を持ってゆったり構えてみましょう。
また、人に知られたくないという緊張感が、かえって症状を引き起こすこともあります。思いきって周囲にも「更年期だから汗が出るの」と言ってしまうほうがラクになる場合も。
とはいえ、日常生活に支障があるような場合は迷わず婦人科へ行って下さい。HRT(ホルモン補充療法)で女性ホルモンを物理的に増やすことで、根本的な改善をすることも可能です。ひどい症状はガマンしすぎずないようにしましょう。
 

【更年期】閉経前後5年間が目安。症状が出る人・出ない人の差は?_img1
 

『「閉経」のホントがわかる本 更年期の体と心がラクになる!』
著者:対馬ルリ子、吉川千明 集英社 1870円

「女性ホルモン」を正しく理解し、「更年期」のゆらぎを乗り切る!女性の心身を支えてきた産婦人科医・対馬ルリ子氏とナチュラルライフを提唱する美容家・吉川千明氏が、さまざまな不調への対処法を最新の知見を交えて解説。40代からの女性の知恵として必携の一冊です。


構成/小泉なつみ
 
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