ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える連載。今回は、波乱万丈の最初の結婚を経て、子連れ再婚を果たしたあかりさんへのインタビューです。

あかりさん44歳、恭平さん45歳。あかりさんは27歳で結婚し40歳で離婚。その後紆余曲折あり、娘を連れて43歳で再婚しました。

あかりさんは現在44歳。27歳のときに結婚したものの、妊娠中に結婚相手が痴漢で捕まり金網越しに面会をするというショッキングな経験をしています。

あかりさん:結婚前、地方の制作会社に転職し、同期の彼と遠距離恋愛になったんです。私は転職後すぐに大きな仕事が決まって結構稼いでいたのですが、向こうは夢を追いかけるためにバイト生活。「この人ダメだな」と思っていたけど、なぜか放っておけず、私が東京に戻ってきたタイミングで同棲をスタートさせちゃったんですよね。

 


昔からダメンズだったというあかりさんは、「私が居なきゃダメなんだ」と思わせられるような男性に弱かったそう。

あかりさん:不治の病みたいなものだったんですよね……。幸い、今は治りましたけど(笑)。


1年半の同棲の後に、東北の彼の実家に遊びに行ったときのこと。まだ結婚など考えていなかったのに、美人で気立てのいいあかりさんは彼のご両親に「こんないい人がうちに嫁いできてくれるなんて」と感激され、さらには病床にいたおばあちゃまにも気に入られてしまったのです。

あかりさん:ベッドからむくっと起き上がって来て、いきなり冷蔵庫からへそくりの札束を持ってこられたんです。「結婚する気はあるんですか? それなら指輪を買わないと」って。完全に外堀を固められた感じでした。

 

そのときに東北の海で彼とサーフィンして九死に一生を助けられたという事件もあり、あかりさんは「運命を感じてしまい」、その彼と結婚することに。

さかい:お相手が定職に就いていないことに不安はなかったですか?

あかりさん:稼げる方が稼げばいいかなって思ってたんです。でも結婚後は彼の履歴書を書いてあげたりして就職活動をサポートして、1年ぐらいで彼も就職できたんですよ。


地方出張が多かったあかりさんは夫となかなか会えない生活でしたが、会えないからこそ会えたとき楽しいと思う結婚生活でした。しかし、小さな家を買い、ようやく家族らしい生活が送れるようになってきた結婚5年目に、事件は起きたのです。

あかりさん:私の大きな仕事が決まったその日に、妊娠が発覚したんですが、その後、夫が仕事を辞めて来たんです。私も働けなくなるし、「あれ? これ、ヤバいじゃん」って思いました。


同じタイミングであかりさんのアルコール依存症の母親が余命宣告されたこともあり、あかりさんは鬱々とした気持ちで妊娠初期を過ごしました。「本当に産んでもいいのかな」という不安な気持ちもあったそうですが、状況を考えたら当然ですよね。

そして出産後、1ヶ月検診の帰りに、警察から電話がかかってきます。

あかりさん:「お宅の旦那さんが捕まりました」って。それも、罪状は電車での強制ワイセツ、いわゆる痴漢。ショックでした。

夫と刑務所の金網越しに面会すると、「がんばってるから待っててくれ」と言われ、完全にドラマで観た「あの世界」(涙)。

 

あかりさん:妊娠中にそういう行為をしていなかったから、私が悪かったのかなって思いましたし、世界がすべてモノトーン色に見えるくらいにショックを受けました。子供と一緒に死のうかなって、ビルの上から下界を見下ろしたこともありましたよ。


結局、弁護士に相談して示談金を払って釈放されたものの、預金口座はすっからかん。食べるものにも困る生活に。

波乱万丈なあかりさんの結婚生活ですが、釈放後には夫のモラハラ・DVが始まり、あかりさんは不倫をスタートし、まだまだ刺激的な話は続きます。
 

イラスト/いとうひでみ
構成/川端里恵(編集部)

 

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