ティファニー銀座本店で始まったかくれんぼ
はまじ「多分、息子は最初から勘違いしていたのでしょう(笑)。ティファニーの銀座本店をかくれんぼハウスだと思ったようです。すぐにかくれんぼが始まりました。お店の方がとても優しくて『み〜つけた』、『もういいか〜い』と言ってくれるので、とても楽しそうでした。私は頭が下がりっぱなし。最初は優しく『そこは入ったらいけない場所よ〜』と優しく諭していたのですが……」
元気いっぱいな当時5歳の男の子。その程度で聞き入れてくれるはずはありません。
はまじ「とはいえ、機嫌を損ねてはタブレットにメッセージを書いてもらうことができません。何とかして椅子に座らせて、『おちゃーちゃん(お母さん)にメッセージを書いてみようか~』とペンを渡したのですが、おふざけモードが続いていて、画面を真っ黒に塗りつぶし始めました。私は顔が引きつりながらも『こらこら。や〜め〜て〜♪』と何度も優しく繰り返しました。けれど一向に止める気配がないので、声の調子はそのまま『次やったらお〜こ〜る〜♪』と言ったんです。そしたらテーブルの下に入ってしまって……。『かくれんぼしてくれなきゃヤダ!』と言うので、『一回だけだからね』と言ってものすごく太い声で、『み〜つけたっ』って。
息子は私の声を聞いて、これはやばいと思ったのか、ようやく椅子に。飽きたと言われないうちに済ませなくてはと思い、息子に『ほら、おちゃーちゃんにメッセージあるでしょう? 例えばLOVE MOMとか。あとは、うーんそうだなLOVE MOMとか、LOVE MOMとか? そうだ!LOVE MOMなんていいんじゃない?』って(笑)。
しまいには私がメモ帳にLOVE MOMと書いて、『この通りに書いたらどうかな。簡単でしょう。アレンジとか全然必要ないからね』と言って、書いてもらいました!」
はまじ「本当に大変でした……。でもこの日のことは絶対に忘れられないと思います。そうそう、真ん中に書いてくれたスマイルマークのような絵は、私の命令(!)ではなく、彼が自主的に描いてくれたんですよ(笑)」
年齢を重ね、“待つ“ことの楽しさを覚えました
はまじ「ティファニーはその日に受け取ることができました。これは夫からの誕生日プレゼント。誕生日より早くに出来上がったので、当日まで夫に預かってもらい、誕生日まで楽しみに待ちました。私からのご褒美にしたアガットは、当初2ヶ月かかると言われていたのに、1ヶ月くらいで完成しました。昔だったら、買ったらすぐにつけたい!という欲望がムクムク湧き上がってきていたものですが、今は“待つ”ということを楽しめる余裕を持てるようになりました。
以来、2つのチャームを重ねづけしてつけています。それを息子がとてもうれしそうに見るんですよ。『おちゃーちゃん、今日もしているの?見せて』って。見せてあげるとニコニコと笑ってくれます。『お風呂と寝る時はどうして外すの?』と聞くので、『なくすととっても悲しいからだよ』と。すると満足そうな顔をして、私の胸元のチャームを触っていました」
大好きなお母さんが自分の書いたものを大切にしている。それは息子さんにしても幸せなことなのでしょう。ティファニーでの話や完成したチャームを見る息子さんの話をするはまじは、いつも以上にチャームポイントのえくぼが際立っていました。
取材・文/笹本絵里
構成/幸山梨奈
この記事は2020年10月27日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。
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