モデルとして、テレビ出演やラジオパーソナリティとしても活躍中の浜島直子さん、愛称“はまじ”。44歳の彼女が、ファッション、ビューティ、ライフスタイル、さまざまなジャンルで新しい自分を発見していく連載です。

あれもこれもそれもどれも。若いころは「ご褒美まつり」


誕生日やクリスマスの記念として、また何かを頑張ったとき、達成したとき。皆さんは「自分へのご褒美」をこれまでいくつ贈ってきましたか? 若かりし頃のはまじは、どうだったのでしょうか。

はまじ「若いころはご褒美まつりでした(笑)。誕生日やクリスマスだけだと、年に数えるほどしかありません。『今日は6時に起きられた!』とか、『今日は寒い中、10カットも撮影した!』と言いながら自分にご褒美を買っていました(笑)。靴下からデニムまで、決して値段が張るものばかりではなかったけれど、とにかくご褒美の理由は後付け。買うことの罪悪感を消し去るための単なる言い訳にしていたのでしょうね」

あれもこれもそれもどれもーー。好奇心と探究心に満ち溢れていた20代、誰もが通る道ではないでしょうか。けれど、30歳の誕生日に選んだご褒美から、気持ちに変化が現れ始めます。

そして今でもそばにあるのは、一本の腕時計

 

はまじ「それがこの腕時計です。『世界・ふしぎ発見!』でミステリーハンターを務めるようになると、目上の方にインタビューをする機会が増えました。失礼に当たらないよう、ジャケットスタイルで伺うのですが、取材中も時間を気にかけながらお話を伺わなくてはなりません」

 

はまじはジャケットからのぞく腕時計が気になり始めます。

はまじ「きちんとしたジャケットスタイルなのに、腕時計がスポーツウォッチだとアンバランスかなあと思って。30歳の誕生日を迎えるにあたって、大人の女性にふさわしい腕時計を探し始めました」

そして30歳の誕生日プレゼントに選んだのは、カルティエのタンクフランセーズ。

はまじ「本来、このシンプルなフェイスの場合、レザーベルトはブレスレットタイプではないんです。でも、どうしてもこだわりたくて、奮発して別誂えにしてもらいました。これが20代のころだったら、ちょっと背伸びをしすぎていて、緊張してつけられなかった。30歳という若さを少し手放した時期にぴったりなご褒美だったかなと我ながら思います。華美すぎず、かといってシンプルすぎない、存在感のあるこの腕時計は、今でも私の相棒です。そしてこれから先も、ずっと私に寄り添ってくれるだろうと思います」


腕時計、持ち主の個性が宿るもの


腕時計が好きだということもあって、つい周囲の人たちの腕時計に気になるというはまじ。無意識のうちに視線は腕時計へ……。

はまじ「編集の方やスタイリストさんなどスタッフの腕時計とか、つい見てしまうんです。ちなみに私の憧れの女性でもある方はお会いする際にブルガリかロレックスのどちらかをつけていました。どちらもシンプルなデザインだったのが印象的です。またフェミニンで可愛いらしいアナウンサーの方は夕方のニュース番組を担当していた時、華奢なデザインのカルティエをしていて、雰囲気にぴったりで素敵だなと思いました。大草直子さんは対談で『ジャガールクルトなど時計屋さんの腕時計が好き』とおっしゃっていて、大草さんらしい!かっこいい!とすごく納得できたんですよね。腕時計は、その人らしさが表れる部分だなと思います」

ご褒美は記念日と一緒がいちばん


はまじ「欲しくてすぐに手に入れたものは、その瞬間は嬉しいけれど、次第にその嬉しさが薄れてしまうことが多いように思います。ところがこの腕時計のように、吟味して、記念日を待って買ったものは、手に入れるまでのことや、ご褒美にした理由も込められるんですよね。『欲しい、買おう』とすぐに買うのではなく、待つ時間も大切にしたいと感じました」

大人になると、よほど高額ではない限り、欲しいと思えば割とすぐに手が届くようになります。はまじはご褒美を記念日までとっておき、待ち焦がれた時間さえも楽しんでいるようです。


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取材・文/笹本絵里
構成/幸山梨奈

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