ご近所トラブルの中でも多いのが、「音」の問題。多少の生活音はお互いさまと思いつつ、度を越した騒音がたびたび起これば、怒りがわくのも無理はありません。しかし、こちらが過敏になっている場合は……? 大ヒット本『ストレスフリー超大全』の著者で、YouTube動画『樺チャンネル』も大人気の精神科医・樺沢紫苑先生は、「そんなときはまず生活習慣の改善を」と説いています。

 


よっちやんさんからの質問

Q. 上階の住人が嫌いで、些細な生活音まで気になってしまいます。


マンション上階の住人の立てる音が気になって仕方がありません。うちは母と2人暮らし、上階は小さな子供が2人いる4人家族です。子供を自由に走らせたり、生活音にもあまり気を遣ってくれないので、何度もクレームを入れ、管理組合からチラシを投函してもらっています。効果があってかなり静かになったと思うのですが、そんな非常識な上階の家族のことが嫌いでたまらなくなり、些細な音すら我慢がならない体質になってしまったようです。わずかな生活音でも聞くと心臓がドキドキして汗が出てきますし、音がしていないときも「いつ音がするか」と全身が緊張して疲労感が抜けません。また音がすればモップの柄の先で天井をコンコン突くのをやめられません。一方で、外の車の音や大きな工事音、通行人の話し声など、上階以外の音は気になりません。今の部屋は購入物件でローンもあり、引っ越すことはあまりにも現実的ではありません。何とか音が気にならなくなりたいのですが、方法はありますでしょうか?(46歳)

精神科医・樺沢紫苑先生の回答

A.睡眠と運動で改善しないなら、精神科に相談したほうが良いかもしれません。


私のところでも、音に悩まれる方の相談は多いものです。よっちゃんさんのような方の場合、たとえ一軒家に引っ越したとしても、また別の音が気になることでしょう。もともと神経過敏気味な体質なのだと思われますから。このようなケースは、実を言うと精神科にかかるレベルです。よっちゃんさんは心臓がドキドキするなど身体に症状が出ていますから、薬での治療が必要かもしれません。

ですが薬となると抵抗がある方は多いでしょう。せめてもの対処療法は、できるだけ家を離れるようにすることだと思います。ずっと家にいるから音が気になってしまうわけですから。日中はなるべく外に出るだけでも、ストレスはかなり減るはずです。

あとは、もう少し運動をすることもお勧めします。以前お話しした“朝散歩” を試してみてください。朝散歩をおこなえばおのずと睡眠も改善されますから、過敏になっている神経も少し落ち着くことが期待できます。それに散歩をしている間は家の外に出ますから、その時間だけでも音を気にしなくてすみます。

上階の人をいくら静かにさせても、おそらく解決はしないでしょう。なぜならこれは、上階の人の問題ではなくよっちゃんさんの精神面の問題だからです。ですからまずは睡眠をしっかりとり、運動をおこなうなど、生活改善をおこなってみてください。

音というのは不思議なもので、精神が落ち着くとピタリと気にならなくなったりするものです。生活を改善させたことで、「そういえば忘れていた」となる人もいらっしゃいます。精神科にかかられる前に、まずは対処療法で様子を見られてはいかがでしょうか。

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 取材・文/山本奈緒子

 

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