※ここから先は、【ネタバレ】の要素を含みます。まだ映画を観ていない方はご注意ください。

多くの犠牲を避けるためには、容赦ない判断を


「鬼滅の刃」に登場する煉獄さんは、主人公・炭治郎が所属する「鬼殺隊(きさつたい)」の最高戦力である“柱(はしら)”の一人。炎の呼吸を使用する炎柱(えんばしら)です。

常に快活な笑顔を浮かべ、人が良さそうに見えますが、隊律違反を犯した炭治郎とその妹・禰󠄀豆子の斬首を問答無用で主張するという容赦ない一面もあります。

一方の安室さんは、「名探偵コナン」に登場する、喫茶店ポアロのアルバイト店員で私立探偵の青年。実はこの「安室透」は偽名で、公安警察ゼロに所属する「降谷 零(ふるや れい)」というのが本当の名前です。さらに、「黒の組織」のコードネーム「バーボン」としての顔も持っており、「トリプルフェイス」の異名が付けられています。

「名探偵コナン ゼロの執行人」では、テロ事件を迅速に解決するために、探偵の師と仰ぐ毛利小五郎を容疑者に仕立て上げるなど、犯人逮捕のために強引な手段を取るといった非道な一面を見せます。

この、多くの被害を出さないために、「必要があれば、容赦ない判断をする」といった点が、まず初めに感じた共通点でした。
 

 

盾となり、仲間を守る


次は、「仲間を守る姿勢」です

煉獄さんは、“柱”として鬼殺隊を先陣切って引っ張っていっていて、個人としてのリーダーの素質も充分備わっています。戦闘力だけでなく判断力も優れており、「無限列車編」では炭治郎たちに列車の事態を収拾するための的確な指示を出し、200人もの乗客を守り抜きました。

戦いでボロボロになった煉獄さんを見て、自分のふがいなさに泣く炭治郎に対し「柱ならば後輩の盾となるのは当然だ」と、死の淵に立ちながらも気遣いを忘れない姿は、炭治郎だけでなく多くの人々の心に刺さったことでしょう。

そんなリーダーとしての素質は、安室さんにも備わっています。

公安警察「ゼロ」に所属し、3つの顔を使い分け、秘密裏に動く個人行動が多いように思いますが、根底は仲間思いで頼もしい存在。警視庁公安部の風見裕也警部補を直属の部下とし、また大勢の部下に指示を出しています。

「ゼロの執行人」では、空中で爆発する車から飛び出し、窓ガラスを割りながら建物内に着地するというとんでもないシーンで、自分はケガを負いながらコナンを守るというダイナミックアクションを繰り広げました。
 

悪に染まらない!貫く己の“正義”


劇中、煉獄さんは強敵・猗窩座(あかざ)に「鬼になろう」と誘われます。それも、片目をつぶされ、腹を突き破られ「鬼になればすぐに身体を再生できる」といった究極の選択を突き付けられながら……。

しかし、煉獄さんはそんな魅惑の誘いにも乗らず、己の正義を全うします。鬼は太陽の光を浴びると消滅してしまうため、なんとか太陽が出るまで外に留まらせようと、腹を突き破られた状態で猗窩座を掴み離しません。その思いも空しく猗窩座は自らの腕を切断し逃げていくのですが、炭治郎や鬼殺隊の仲間たちが煉獄さんの熱い思いを受け継ぎ、続く戦いへと闘志を燃やしていくこととなります。

そして安室さんも正義のため、自ら危険へと飛び込み、社会で暗躍する「黒の組織」へ潜入しています。劇場版「名探偵コナン 純黒の悪夢」では潜入捜査官だと疑われ、命を狙われるといったピンチもありました。

そんな危ない目に何度も合っているにも関わらず、「黒の組織」壊滅に向けて、「トリプルフェイス」を巧みに使い分けています。

その、絶対に悪に染まらず、己の正義を貫く姿勢も、二人に共通しているところです。