ちょっと前になりますが、料理家の奥田ここさんによる豊洲市場での料理教室に参加しました。

彼女の市場料理教室はいつも大人気。新鮮で目利きが選んだお魚を使っての料理と、市場の空気を感じながらの料理教室は、まさに一石二鳥。

コロナ禍ということもあって、人数も減らしながら主催者側も慎重を期して行っていましたが、お席はあっという間にソールドアウトという人気ぶりです。手間暇かかる難易度の高い料理をご家庭で簡単に作るコツを学べるのが嬉しいお料理教室。

ソーシャルディスタンスを保ってのお料理教室は、実践をカメラを通して手元も見やすく教えていただきました。

本日のお題は「アクアパッツァ」。魚の捌き方メインでしたが、包丁を一切使わず調理バサミで魚を捌く方法を伝授。これまで出刃包丁で悪戦苦闘していましたが、これ知ったら時短&無敵間違いなし!まさに「目から鱗」な料理教室でした。

こちらが出来上がり。生徒さんは魚を持って帰り自宅で復習。案外手間いらずで大皿のアクアパッツァはホームパーティーでも大活躍。

ここさんの食楽webで出されている数々のレシピにはお酒好きな方やメンズが喜びそうなレシピが多数。コロナ禍レシピに迷ったらご参考までに。

 

料理教室終えた後に立ち寄ったのは、場内にある図書館『銀鱗文庫』へ。築地の時代から(なんと1962年から開館!)存在し、今回のお料理教室を主催者でもある福地享子さんがこちらの事務局長を務めていらっしゃいます。

 
ずらりと並んだ古書の数々。魚に因んだ書家のエキシビジョンも開催されていました。
『L'ART DU SUSHI』。フランスの漫画家 Franckie Alarcon氏がSUSHIを題材に数年にわたり取材を行い、出版。奥田ここさんもこの取材のコーディネーターとして、また料理家として紹介されています。
素敵な笑顔の福地さん。合理性ばかりが目につく世の中。市場の中にこの場所が守られているのは福地さんの尽力と情熱とお人柄ゆえ。

福地さんはもともと婦人画報社に勤められ、ファッションから食に至るまで一線でご活躍。フリーランス時代にはロングセラー本「向田邦子の手料理」を手掛けられています。1998年に水産仲卸「濱長」のチラシを作ったことがきっかけで 、河岸の世界に足を踏み入れるに至った異例の経歴の持ち主。

現在、築地市場の文化団体「NPO法人築地魚市場銀鱗会」を立ち上げられ「築地」や「魚」にまつわる様々な本の著者でもあり、まさに「食は文化」ということを学べる素敵な人と場所との出会いでした。

福地さんの著作「築地河岸 寿司ダネ手帳」は料理家奥田ここさんのお勧め本。「あいうえ築地の河岸ことば」は楽しく築地の文化や言葉を学べます。ますます市場に行くのが楽しくなりそうな本。粋な銀鱗会の手拭いは築地バージョンとと豊洲バージョンあり。どちらも図書館で購入可能。
 

初の豊洲市場。築地の風情はなくなったものの、美味しいものを楽しみ、学べる場所には変わりありません。また近々市場を探索したい思いに駆られる1日でした。