女友達とのおしゃべり感覚でお届けする、ともさかりえを「つくるもの」。
「日常から離れて無条件に感動できる趣味があると救われる」というともさかさん。影響を受けてきたエンターテインメントについて、中でも数年前からハマっているというミュージカルについて、熱い想いを語ってもらいました。

ともさかりえが語る“沼”にハマる喜び「初の趣味・ミュージカル鑑賞でときめきが蘇る」_img0
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――ともさかさんはここ数年、ミュージカル鑑賞にハマっているんですよね。ミュージカルとの出会いはいつ頃ですか?

初めて観に行ったのは、中学1年生の冬。新聞の折り込みチラシに載っていた『ミス・サイゴン』の広告を目にして「このミュージカルを観てみたい!」と思って、クリスマスプレゼントにチケットをお願いしたんです。母と2人でクリスマスシーズンの帝劇に観に行きました。

『ミス・サイゴン』って割と大人っぽい話だから、最初のキャバレーの場面とかドキドキしながら観たことを覚えています。そして本田美奈子さんが歌う『命をあげよう』には本当に感動したなぁ。今でも強烈に記憶に残っているし、あの輝きは絶対に色褪せない。
大人になってからも、この演目は何回か観劇しているけど、私の中でのキムは永遠に本田美奈子さん!もちろん役者さんが変われば味わいも変わるので、それぞれの楽しみ方があると思いますが。

 


――またミュージカルを見るようになったきっかけはなんですか?

今、ここまでミュージカル熱が再燃したのは『アナと雪の女王』にハマって、そこから神田沙也加ちゃんを求めて『ダンス オブ ヴァンパイア』を観に行ったのがキッカケなんです。
東京公演はドラマの撮影中でタイミングが合わなくて、いきなり名古屋遠征しました(笑)。本編の素晴らしさはもちろんのこと、カーテンコールのお祭り感に感動して大号泣して。「こんなにもきっちり夢を見させてくれる世界があったんだ!」って改めて胸を打たれたというか。

「ときめきをありがとうございます、明日からまた頑張ります!」と感謝しながら現実に帰っていくというか(笑)。それがすごく心地よかったんですよね。

『ミス・サイゴン』でミュージカルデビューして以降、観劇の機会はストレートプレイに偏っていたので、そういう新鮮さもあったのかな。
だって『ミス・サイゴン』の次に観たのは、つかこうへいさんの『飛龍伝』だから。振り幅が大きすぎる(笑)。
そこから色んなご縁をいただき、私自身も舞台に立たせていただいていますが、やはりミュージカルとは畑が違う場所にいるし、なかなか役者同士も交わる機会がなかったけど、今は垣根を超えて仕事をする場面も多いから面白いですよね。

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――ミュージカルもいろいろな演目がありますが、とくに好きな作品はありますか?

私は基本的に、“ザ!東宝ミュージカル!”が好きなんだけど、『エリザベート』は見事にどハマりしました。ストレートプレイに近いような芝居パートが多い演目よりも、とにかく沢山歌い上げてくれるような演目が好き。

『エリザ』の1回目は東京で観て、2回目は福岡に遠征したんです。しかも私は飛行機があまり得意ではないから新幹線で行ったんだけど、往復で12〜3時間かけるって、やっぱりちょっとおかしいですよね(笑)。
本当は10回でも20回でも観たいけど、「皆さんどうやってチケットをとっているんだろう?」と、『エリザベート』ファンの方たちのブログを読み漁ったりもしてました(笑)。
ダブルキャストやトリプルキャストというのはストレートプレイではあまりないシステムだから、知れば知るほど「この組み合わせでも観てみたかった!」って、情熱は尽きないですねぇ。

――ハマればハマるほど何度も観たくなる気持ち、よくわかります!

ミュージカルってやっぱり音楽の力が大きいから、繰り返し聴いているうちにその曲が流れてきただけで泣ける、みたいなパブロフの犬状態になりますよね(笑)。
あと2回目以降の観劇ではストーリーも演出もわかっているから、あんな結末が待っているのにシシィはこんな健気なことを……って、また違う視点で泣けちゃったりとか。
ストレートプレイの芝居をリピートするって、あまり経験がなかったけど、何度も観てさらに掘り下げたいという気持ちを、『エリザベート』で初めて知りました。

――それが“沼”ってことなんでしょうね。

セリフにメロディがあるって、やっぱりものすごくドラマチックですよね。
言い方が難しいけど、ストレートプレイでの芝居の上手い下手は好みによって評価が分かれたり、不器用さみたいなものが逆に個性や魅力になったりするじゃないですか。
でも歌はすべての力量が明確に出てしまうから、本当にシビアな世界だと思います。

――「あ、今、音程が」、って気になると、急に現実に引き戻されることがありますもんね。

やっぱり圧倒的な歌唱に感動したいじゃないですか。拍手が鳴り止まずショーストップ状態になったりすると本当に興奮しますよね。
「この曲だけ、あと5回くらい歌ってくれないかな〜」とか思いながら観てます(笑)。

――ミュージカルのお仕事のオファーがきたらどうしますか?

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そんなことは絶対にないと思いますが、もちろん丁重にお断りします(笑)。ミュージカルの世界をリスペクトしているし、軽々しく足を踏み入れちゃいけない領域だと思っていますから、あくまでファンの立ち位置でいたいんです。
でも『エリザベート』の一幕ラストの「私だけに」で、シシィが扇子をパッ! と広げるところとか、脳内では100万回ぐらい演じています(笑)。帝劇ではグッズ売り場のパトロールもするのですが、現実的には使うのが難しそうなものでもついほしくなりますよね。

 
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