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美智子さま、雅子さま、紀子さま「ご成婚のローブ・デコルテ」3人の違いとは?

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美智子さまから譲り受けた美しい第1ティアラ


ティアラといえば、11月8日の「立皇嗣の礼 朝見の儀」の際に、ローブ・デコルテをお召しになった紀子さまの頭上で輝くティアラに注目された方もいるのではないでしょうか。

写真:毎日新聞社/アフロ

このティアラは、美智子さまから雅子さまへと伝わってきた、皇太子妃の第1ティアラです。令和元年となり、紀子さまが皇太子妃と同じ待遇の皇嗣妃殿下となられたときに譲られ、「即位後朝見の儀」でもご着用になりましたから、見覚えのある方もいるでしょう。

 

昭和天皇の妃の良子(ながこ)さまが東宮妃としてつかわれたティアラのダイヤモンドをいかし、新たにプラチナ台をデザインして美智子さまのご成婚のために作り直されたものでした。お祝いにふさわしい吉祥文様の唐草がモチーフになっています。

このティアラには、1000個以上ものダイヤモンドが散りばめられています。デザインしたのは、当時ミキモト真珠店の意匠部にいたジュエリーデザイナーの田居克巳さん。田居さんを含めた4人のデザイナーでそれぞれ4~5点ずつ案を出し合って、そのなかから田居さんのデザインが採用されたといいます。

のちに天皇陛下と雅子さまがご結婚する際に、
「あまり派手にせず、シンプルなデザインのままで……」
という美智子さまのお気持ちをくんで、サイズ合わせをしただけで雅子さまに受け継がれました。

きらめくティアラは、雅子さまのウエディングドレス姿も彩り、今、皇嗣妃となられた紀子さまの装いにも花を添えているのです。

渡邉みどり(わたなべ・みどり)

皇室ジャーナリスト、文化学園大学客員教授。早稲田大学卒業後、日本テレビ放送網に入社。1980年、「三つ子十五年の成長記録」で日本民間放送連盟賞テレビ社会部門最優秀賞。1989年の昭和天皇崩御報道ではチーフプロデューサーを務める。著書に『美智子さま マナーとお言葉の流儀』(こう書房)、『美智子さま 美しき人』(いきいき)、『美智子さまの生き方38』(朝日文庫)など、監修に『とっておきの美智子さま』(マガジンハウス)、『美智子さま あの日あのとき』『日めくり31日カレンダー 永遠に伝えたい美智子さまのお心』(ともに講談社)など多数ある。

文/高木香織

前回記事「【紀子さま秘話】結婚前に母がメガネをキラリと光らせて言ったこととは?」はこちら>>

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