「優秀な女性はたくさんいるのに、ライフステージの変化で働くことをあきらめざるをえないのは本当にもったいない。その課題をリモートワークで解決できるのではないかと考えました」

そう語るのは、「オンラインなのに隣にいるような」経理スタッフがリモートで業務を代行してくれる“バーチャル経理アシスタント”サービスを運営する、メリービズ代表の工藤博樹さん(写真前列中央、メンバーのみなさんと)。

 

大手IT企業や経営戦略事務所勤務をへてメリービズを創業した工藤さんは複数のベンチャー企業の立上げや事業運営に携わってきました。そのなかで、自身や周囲の起業家たちの悩みに直面したことから、事務作業を楽にできるサービスを展開したいと考えたそうです。その発想の原点には自身のお母様との思い出もありました。

 

「母は当時としては珍しいバリバリのキャリアウーマンで、大学卒業後、通訳の仕事をしていました。国際的な大規模イベントで海外要人のアテンドもするほどだったんですよ。でも父の海外転勤帯同のため仕事をやめざるをなかったんです。当時としては仕方なかったのだと思いますが、今の時代であればまた違ったのかな……と。こうした経験が『人がそれぞれの得意を活かし、楽しくイキイキ働く世の中をつくる』というメリービズのビジョンにつながっています」

メリービズに登録するリモート経理スタッフは実に累計900名以上! 日本全国はもちろん海外在住者もいます(下図)。こうしたスタッフが完全リモートでさまざまな企業の経費精算や請求書発行、月次決算、会計ソフト導入支援などの経理業務全般のほか、給与計算、勤怠管理などの関連業務を請け負い代行します。

 


9割は女性。リモートだからワークライフバランスが取りやすい


リモートスタッフは約9割が女性で、『幼い子どもがいて15時には迎えにいかないといけない』『両親の介護がある』など、何らかの事情で通勤できない、自宅で勤務したい方が中心です。

「地方の方だと、経理の仕事をしたいが通勤圏内にそうした仕事がない場合もあるようです。『リモートワーク 経理』や『在宅経理』といったキーワードでインターネット検索をして、メリービズを見つけてくださる方が多いです」

メリービズに登録して2年超になる30代フリーランスのSさんもそんなひとり。

「在宅で仕事ができることで、納期を厳守すれば自分の裁量で働けるのでワークライフバランスがとりやすいです。とくに下の子はまだ2歳なので、体調を崩すこともしばしば。そんな時でもすぐお医者さんへ行けますし、看病して子どもが寝たあとに働くこともできます。私がイライラすることが減ったので、おかげ様で家族に笑顔が増えました(笑)」

 
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