フードジャーナリストの小松宏子さんが、最新の食のトレンドを紹介します。 

百貨店もホテルもパティスリーにもショコラがあふれ、雑誌やWEBでもショコラの記事を目にするこの時期は、ショコラ好きならずとも、わくわくするものです。バレンタインという最愛の人に贈るためにはもちろん、自分へのご褒美のためにも、いつもなら、なかなか購入しないような、高級パティスリーのものも、つい買いたくなってしまいますね。今回は、数ある銘品の中から、大人ショコラとしてぜひおすすめしたい名品3点を厳選しました。

伝統と革新が生んだ、新スタンダード
帝国ホテル 東京

ボンボンショコラ「ORIGIN~原点~」¥4000(税込)

 

ロイヤルブルーのパッケージも格調高いこちらは、名門帝国ホテルの新作。開業130年を記念して作られたもので、2005年に立ち上げたショコラトリーの原点に立ち返りつつも、“今”の感性を持って進化させたショコラだそう。原点となる、5つのフレーバー――紅茶、ラズベリー、チョコレート、コーヒー、プラリネ――をベースに新たな表現で一層完成度の高い、バラエティ豊かな味わいに仕上げてあります。“万人に愛される、新たな定番となるショコラ”と位置付けているだけに、どの一粒をとっても、繊細な口どけ、複雑な香り、時にカリカリとしたアクセントやごく長く続く余韻など、うっとりするほどの美味しさです。確かなブランド力と、ゆるぎのないクオリティから、改まったご挨拶としてさし上げるにも最適です。

 

ショコラ好きの夢を叶える魅惑の詰め合わせ
日本橋髙島屋

「スペシャルコラボレーションBOX 2021」(6個入)¥3456(税込)

 

日本では普段買えないショップ3軒を含む、フランスの巨匠パティシエ6人のショコラが1粒ずつ食べられる、ショコラ好きの夢が叶う、ドリームボックス。チョコレートの祭典、日本橋髙島屋「アムール・デュ・ショコラ」でのみ発売される限定品です。
その6店舗とは、「パトリック・ロジェ」、「ジャック・ジュナン」、「ピエール・エルメ・パリ」、「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」、「ローラン・ル・ダニエル」、「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」です。
まず、「プラリネの魔術師」と言われるパトリック・ロジェ氏は、彫刻家としての顔も持ち、彼の手で作られるショコラは、芸術作品と言われるほど。

 

「ジャック・ジュナン」は、スイーツ好きには別格の存在で、バローナ社に特注するクーベルチュールで一粒一粒丁寧に手仕事で作られるそれは、宝石のごとく。
いわずと知れた、世界の巨匠「ピエール・エルメ・パリ」からはバニラ風味ガナッシュショコラを。また、やっぱりここが一番好き、という声を多く聞く「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」からは軽やかなクレープ・ダンテルの入ったアーモンドとヘーゼルナッツのプラリネをピックアップ。
「ローラン・ル・ダニエル」はブルターニュ生まれで、イチゴのピュレのガナッシュをミルクチョコレートでコーティング。そして日本が誇る「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」からは、ヘーゼルナッツとアオキ氏自慢のアーモンドプラリネをショコラオレで包んだスペシャリテを。
すでにオンラインのほうは売り切れ、2月1日~の「アムール・デュ・ショコラ」の会場でのみ購入できますが、数に限りあり。お急ぎください!

低糖質×美味を実現した魔法のショコラ
トシ・ヨロイヅカ

「ショコラ・ロカボ」¥1400(税込)

 

もう一つはガラリと趣向を変えて、トシ・ヨロイヅカが真摯に取り組んでいる、低糖質ショコラ。そのこだわりは、まずカカオ豆から。すべて「トシヨロイヅカ・カカオファーム・エクアドル」のものを使用し、自社で精製加工しているから鮮度も抜群。そして、糖質を削減するために、砂糖の変わりに食物繊維豊富なイヌリンとラカンカ抽出物を使用。さらにローストアーモンドペーストやカナダ産蜂蜜を加え、低糖質ながら美味しさにも最大限こだわった生チョコなのです。口の中で瞬時にとろけ、滑らかなショコラ感が口いっぱいに広がる、生チョコならではの魅力はまったくそのまま。なのに、なんと、1個につき糖質約1.325g、一箱食べても約10.6gとは、鎧塚氏をもってして、初めて可能になった技術です。糖質を気にしている男性に差し上げれば、喜ばれること間違いありません。もちろん、ダイエットが気になるあなたにもぴったりです。今の時代ならではの、進化系ショコラと言えるでしょう。

文/小松宏子
構成/藤本容子


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