ヘアライターさとゆみ(佐藤友美)がチェックする、ニュースな女性たちのヘア&メイク。
今回は、上白石萌音さん主演の『オー!マイ・ボス! 恋は別冊で』より、菜々緒さん演じる鬼編集長・宝来麗子の髪型七変化を徹底分析。シーンに合わせたゴージャスなヘアアレンジは見どころ満載なのです!

【ドラマ解説】
「人並みで普通の幸せが一番」が口癖だった鈴木奈未(上白石萌音)は、モードファッション誌の編集部に配属されてしまう。そこで出会ったのは、傾いた出版社を立て直すべくフランスから呼ばれた宝来麗子編集長(菜々緒)。毒舌で冷徹な上司に振り回され腹を立てながらも、徐々に仕事の楽しさを見つけていく。
 


菜々緒さん、弩級のハマリ役です。(ネタバレあり)


みなさま、こんにちは。
ヘアライターのさとゆみです。

ボス恋(『オー!マイ・ボス! 恋は別冊で』)、見てますか?

正直に告白すると、私、これ、1話めをみたときに、一瞬「え? 時代設定いつ?」って思ってしまったんです。(ごめんなさい)。
2003年に公開された『プラダを着た悪魔』以上に、「なつかし感」がありまして。なんとなく、今っぽさに欠ける気がしたんですよね。
ファッション誌の編集部で働く友人たちの感想も、だいたい同じ感じでした。

が、ですね。
そこでやめなくてよかった!
2話目から、ぐんぐん面白く、NOWくなっていった「ボス恋」。いまでは、続きが待ち遠しいドラマのひとつになっています。

上白石さんの安定の演技はいうまでもないのですが、ヘアライター的にいうと、萌えポイントは菜々緒さんのヘアアレンジですよね。
モード誌の編集長という設定なだけあって、ファッションだけではなく、ヘアもゴージャス。

今回いったん、6パターンご紹介しましたが、第4話までに、これ以外にもいろんなアレンジが出ていました。あのスーパーロングヘアで(しかも前髪なしで)、ここまでアレンジバリエがあるのは、すごいですよ。
こんな多彩なスーパーロングヘア祭り、『バチェロレッテ』の福田萌子さんぶりですよ。

もちろん、ドラマの撮影自体はヘアメイクさんがついているでしょうが、ドラマの中の宝来編集長は、自分でヘアスタイリングしている設定なのかな。だとしたら、相当に器用だし、マメ。まあまあ、時間のかかるヘアアレンジが多いです。

では、さっそくチェックしてみましょー。

【ベースはゆる巻き、フェイスラインはリバース】

まず、ベースとなるスタイルは、センターパートに耳下ゆるウェーブ。ポイントは、フェイスラインの髪をリバース(外方向)に巻いているところですね。ここを外巻きすると、顔の輪郭が出て、意志の強さが強調されます。
傑物の登場シーンにふさわしい、ど迫力かつ、キャラ設定がわかりやすいベーシックなスタイルです。
その後のアレンジバリエーションとして、6:4分けのゆるウェーブと、7:3分けのゆるウェーブがありましたよん。

 

取材先を口説き落とすシーンでは、まさかの土下座。何事も計算しつくしている麗子ですから、オールバックでガチガチにかためた頭も、土下座で髪が崩れないようにするため? って邪推したりしました。

余談ですが、このシーンでは、菜々緒さんが冨永愛さんをモデルに表紙撮影するのですが、なんというか、この撮影シーンは別の緊張感を持って見ちゃいましたよね。
今回のドラマの見どころは、このように、本当のスーパーモデルが起用されたり、実在するハイブランドが協力していたりするところだと思います。

さて。次は、弟の彼女(上白石さん)に合う設定のシーン。
家でも手を抜かないのが気合入った編集長でして、リラックス感のある服でも、ちゃんとハーフアップ。おでこの出てるハーフアップは、威圧感あるなー。
家に遊びにいって、こんなお姉さまに挨拶されたら……。想像するだけで、胃が痛い。


TPOに合わせた変化が目に楽しい


モードとは、場に合った装いができることという言葉を聞いたことがありますが、麗子のファッション&ヘアメイクもまさにソレ。

取材相手と一緒にランニングするときは、ルーズなポニーテール。いやあ、このなんでもないポニーテールが、ここまでサマになっちゃうのは、菜々緒さんならではですよね。

映画『プラダを着た悪魔』では、VOGUE編集長アナ・ウィンターをモデルにした悪魔役を演じたのはメリル・ストリープでしたが、30代前半の日本の女優さんで、宝来麗子役をこなせるのは、菜々緒さん以外、思いつかない。(もうちょっと年齢が上の役なら、天海祐希さんなども素敵そう)
本当に、ハマり役だと思います。

ちなみに、ライバル出版社のモテ系雑誌(だと思う)の編集長を高橋メアリージュンさんが演じていて、ちょっと安い感じの表現がすごくいいのだけれど、今、経歴みたら菜々緒さんの方が年下なのね。
いやはや。菜々緒さん、貫禄あります。

 

前から見たら一見普通に見えるアレンジも、後ろ姿になると、驚きの凝り具合っていうヘアもあったよ。
取材後に記事を取り下げた相手にお詫びにいくシーン。カメラが後ろに回ったら、まさかのポンポン結びだった。
関係ないけれど、この髪型は、『バチェロレッテ』で福田萌子さんが、男性陣全員と初めて会うシーンでしていたアレンジとほぼ同じです。
ロングヘアならではのアレンジで、ただものではない感、あります。

仕事ではドSの麗子も、好きな男性の前では相当挙動不審なところがいいですね。その相手が、ユースケ・サンタマリアさん演じる副社長だっていうのも、なんだか、好感。
食事に誘われ動揺するシーンでは、フェイスラインに毛束を残したアレンジで。その毛束がゆらゆら揺れるたびに、揺れる乙女心が表現されているようで、ちょっとほっこりしました。これぞ、ギャップ萌え。

これまた余談ですが、ユースケ・サンタマリアさんとの10年前の出会いシーン。その時の、全頭パーマっぽいユースケさんの髪型が、めちゃくちゃおしゃれでした。

というわけで、宝来麗子ヘアだけで、まだまだ語れるのですが、語るべき所が何もなかった上白石さんのヘアスタイルも、第4話からは、アレンジしているシーンも出てきたりして、今後はきっと垢抜けていくんだろうなあって思っています。
菜々緒さんと違って、身長ミニサイズの上白石さんならではのヘアアレンジも、今後追いかけてレポートできればと思っています。

それではまた、土曜日に。

前回記事「『天国と地獄』。綾瀬はるかさんと高橋一生さん、入れ替わりの髪型の秘密を探る」はこちら>>

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