「鬼滅の刃」は、どうして韓国で人気なのか？


『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が、韓国でロケットスタートを果たした理由のひとつとして、公開前から「鬼滅の刃」のファンが多かったことが挙げられます。

韓国のアニメーションファンに欠かせないのは、アニメーション専門ケーブルチャンネル「ANIMAX」。日本のソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントが運営する同名のチャンネルの韓国版で、多くの日本のアニメ作品が放送されるチャンネルです。この「ANIMAX」では、2019年４月から「鬼滅の刃」が放送されました。

その後、韓国の動画配信サービスである「TVING」、「wavve」、「WATCHA」でも「鬼滅の刃」を見ることができ、特に10代～20代の若者を中心に「鬼滅の刃」のファンが増えていたのです。

そのため、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の公開初日から行列ができましたし、オリジナルチケットや限定品のキャラクターカードが完売し、映画館にコスプレをしてきた熱烈なファンもいたのです。

コロナ禍の影響で韓国の映画館は大打撃を受けており、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の公開日の様子は韓国メディアから注目を集めました。

日本で社会現象を巻き起こすほど大ヒットした「鬼滅の刃」の魅力を探りたいということもありましたし、コロナ禍でも映画館に人を集める作品に関心が高まったのです。

「鬼滅の刃は凍りついた映画館を生かすのか」、「パンデミック最大の受益者は鬼滅の刃」などの記事が次々と書かれました。「原作を読んでから見た方がより面白いけど、原作の内容を知らないで見ても面白い。映画を見た後に原作が読みたくなる魅力がある」という評価から、アニメーションファンのみならず、映画館に足を運ぶ観客層が広まっているのです。

もちろん、韓国で『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が人気を集めている一番の理由は、作品が持つ魅力だと思います。特にコロナ禍の影響もあり、人と人との繋がりが制限されている中、「生きるということへの意志」をもう一度考えさせる「鬼滅の刃」の物語は韓国でも感動を与えているようです。

韓国のSNSでは、「35年の人生の中でアニメーションを見てここまで真剣になることはなかった」、「今まで見た映画の中で1位！この感動を忘れたくありません」、「映画館で静かに泣きました」、「めちゃくちゃ面白かった！これは映画館で見るべき！」、「美しい映像もサウンドも完璧。また見に行きます」などといったコメントが書き込まれています。

現在、韓国のポータルサイトNAVERの映画レビュー（鑑賞前の期待値投票も含む）は、10点満点で今のところ9.61点、これから変動が起きるとしても非常に高い評価です（今、韓国で公開中のディズニー＆ピクサーの最新作『ソウルフル・ワールド』は9.37点、韓国映画『三姉妹』は8.74点、日本アニメーション『名探偵コナン~紅の修学旅行』は8.16点です(2月7日現在)）。

明日に続きます。

 

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