他のSNSと大きく異なるのは、「クラブハウス」はアーカイブが残らないということ。文字に残された関係者 (all of the speakers involved) の同意がなければ録音や内容のメモ、口外、拡散も禁止。リアルタイムでその場にいた人だけがその情報を知るor時間を共有ことができるという、オンデマンドに慣れきった私たちが、その不便さに楽しく振り回されてしまうSNSです。今の段階ではiOSのみ対応で、登録時に招待できるのが当初は2人(今は5人)、登録名(本名で、とされている)と表示名の変更は1回しかできないという「縛り」も窮屈ですが特別感を高めています。
個人的には、自分がオンラインかどうか、自分が今どのルームを聴いているかがフォロワーにわかってしまうのが不便だなと感じています。ただその一方でフォローした友達や著名人が覗いているor話しているルームがわかること、そして自分主宰のルームへの集客に繋がると考えると便利とも言えます。
「クラブハウス」は3つの役割で参加できる
① モデレーター…「ルーム」と呼ばれるトークルームを作り、進行役となります。ひとりでも複数人でもモデレーターになることができます。途中から入ってきたオーディエンスを招待してモデレーターにすることも可能です。ルームが面白くなるかはモデレーターの腕にかかっています。
② オーディエンス…いわゆるリスナーです。観客としてモデレーターが開いたルームに自由に出入りすることができます。
③ スピーカー…最初はオーディエンスとして参加しますが、ゲストとしてモデレーターから招待されてOKするか、自ら挙手ボタンを押してモデレーターから許可されればモデレーターと一緒に話すことができます。話が終わったら、またオーディエンスとして聞き役に戻ることもできます。
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「クラブハウス」を利用し始めて数週間、私も一通り経験しました。仕事柄というのもありますが、複数の声と無言のオーディエンスの皆様を相手にモデレーションをするコツを探しながらの進行は純粋に面白く、お会いする機会がなかった方たちと話すことができるのは、とても貴重な体験です。ただ、スピーカーとして自分から手を挙げるのはなかなか緊張します。性格が出ますね(笑)。
今後「クラブハウス」は一過性ではなく、定着していくことができるのか?
オーディエンスとしては、自分が仕事の上で興味がある「声/映画/エンタメ/音楽/キャリア/韓国」などがタイトルに入っているとつい引き寄せられますし、偶然見つけたルームで、国を動かすほどビッグな海外ゲストが気さくに一般の方の質問に答えていて驚いたこともありました。趣味では旅のルームが好きで、自分が行ったことがない国に住んでいる日本人の方の話や体験談はずっと聞いてしまいます。
また、「これは声を使うSNSらしい!」と思ったのはモノマネのルーム。入ったとたん、喋っている全員が同じアニメのキャラクターの声なので驚いてしまい離脱したことも(笑)。別のルームでは、アニメや芸能人のモノマネのプロや、プロ並にうまい人、まあまあ似ている人、そして似て…ない人(私の主観です笑)、とあらゆる層が一緒にそのキャラ口調で話しているところが面白くて爆笑しています。「この瞬間」を全員が楽しんでいて、これこそ残らないSNSの醍醐味だと思いました。
自分の肌に合うか合わないか、体験する意味でも一聴の価値ありの「クラブハウス」ですが、一部で録音音源や参加者のスクリーンショットが流出したりと、今の段階では規約があっても厳格さが曖昧なところは否めません。拡散されると思うと匿名が増えたり、発言時に言葉を飲み込んでしまったりするでしょうし、そうなってしまうと「クラブハウス」じゃなくてもいい感じるユーザーが増えてしまう懸念はあります。これから「クラブハウス」がどういう形で定着していくのか、どこまでいい意味でクローズドなSNSでいられるか、私たちの使い方次第です。
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